ここ１ヶ月くらい、高校進学のナット、グライ、ヌン、そして中学１年生になるメイレックのことでタイ人スタッフを中心にバタバタが続いていた。そして昨日やっと一段落。

　ヌンは市内の公立工業高校へなんとか入いることができ、工業技術を身につけながら、目標の自動車修理工になるのか、あるいは入ってからもっとやりたいことが見つかるのか、自立へ向けての一歩を踏み出す。おそらくスーと一緒にバイクでの通学になるので来週にはバイクの免許をとるべく、落ちそうな予感がする学科の教科書を昨日から読み始めている。目標がはっきりしていると、今までになく結構真剣。

　グライは本当にギリギリで今の中学を卒業することができ（提出物を出せば通る教科も全然出していなかった）、５月からは近郊の公立工業学校で寄宿舎生活となる。まだ何をやりたいか分からないグライはそこで自分にあった何かを見つけることから始まる。好きなことが見つかれば、彼は元来の力を発揮できるチャンスがあると思う。今下宿生活からホームに戻って来ているグライを見ていると、覇気がない。何か夢中になれるものがあると、グライこそ一番スペシャリストになれる素質をもっているはす！！

　そしてナットとメイレックは同じ市内の進学校を受験したが二人とも落ちた。試験の後、「全然分からなかった！」と言っていたのだが、メイレックは元々今の友だちと別れて別の学校へ行くことに積極的ではなかったので、そのまま同じ中学へ行けることを逆に喜んでいた。

　でもナットは今の学校では「優等生」の部類に入っているので、彼なりに落ちたことはショックだったのか、その日私の家に来て１時間くらい話し込んでいた。ヌンと同じように技術系かそれとも普通科の高校か、将来漠然と「WEBデザイナーになりたい」と言っているが、それが何かも良く分かっていない。唯一日本語検定４級に合格しているのが彼の支えになっているので、やはり普通科の高校の日本語コースのあるところで「日本へ留学すること」を目標にしたいというのが、ナットの本心のようだった。以前だったら１週間は暗く沈んでいたと思うが、「サッカーをしてこのモヤモヤした気持ちを発散させようと思うから、明日友だちとサッカーしに行っていい？」と、自分の弱いところを克服する方法を彼なりに分かってきたのが嬉しい。昨日、公立の高校に、そして日本語コースの枠にナットはなんとか入ることが出来、本人も私たちも一安心。これに落ちると高い学費の私立となってしまうので、お金の面でも一安心。・・といっても、入学金や授業料、制服、教科書などなど、新たにかかるお金は羽がはえたように飛んでゆく。さらに高校へ進学した３名は今までのように「優しい学校」ではないので、入ってから相当頑張らないとみんなについてゆけない。実は安心している場合ではないのだ。

　幼稚園に入るアーパイ、一緒に幼稚園かと思ったら、突然小学校１年生で頑張ってみましょうと言われたパヌ、二サーも小学校１年生。お古の制服もボロボロになったものが多く、これから新学期を迎えるにあたってどうしても揃えなくてはならないものが、たくさん出てきそうだ。５月からは子どもたちが６つの学校に通うことになる。ガソリン代も同時に増える。タイ人スタッフたちもそれぞれの学校に対応すべく大変になる。昨日まではなるべく考えないようにしていたが、来年はおそらく１２人が小学生、中学生、高校生になる。今年の２倍・・、そしてその後もたくさん続く・・。
稼がねば！