写真日記
あっという間
私がバーンロムサイに来て、早いものでもう1年が過ぎました。ここ数週間、特に子ども達が夏休みに入ってから「メーエリはいつ日本に帰るの?」という質問を毎日受ける様になりました。子どもたちを始め、コックのプロイさん、保母さんや保父さん、そして縫製場のおばちゃん達。きっと、去年この夏休みの間に、前にいたボランティアの奈緒子ちゃんと美和ちゃんが帰った事を覚えているのでしょう。夏休みが来たら日本へ帰ってしまうという意識が、みんなの中に少なからずあるのかもしれません。
とは言ってもまだバーンロムサイを去るという実感が全くありません。それは来月帰国予定の陽之介くんも同じの様。仕事の引き継ぎや荷物の整理・・・きっと直前になってから慌ててしまうので今のうちに出来る事をやろう!という話にはなったものの、日々バーンロムサイで生活していると、ついついゆったりと過ごしてしまうのです。朝から響く子ども達の声、昨晩は保母さんの怒鳴り声が聞こえました。夜遅くには残業を終えて帰宅する縫製場のおばちゃん達の声が響き、またいつもの子ども達の声で朝目覚める。日々こうしてゆったりと時間が過ぎていくバーンロムサイの生活。ここに来た時から何ひとつ変わりないここの雰囲気がそうさせるのかもしれません。子ども達と話す時間、保母さんたちと話す時間、当たり前だと思っていた毎日のちょっとした時間も、こうして残りの時間が少なくなっていくに連れて全てが貴重でかけがえのない時間なのだと実感させられます。
昨日の陽之介くんの日記にもある様に、色んな事を頭で考えて悩むよりも、その瞬間の子どもの表情や感情とまっすぐに向き合い、心にある愛情をそのまま包み隠さず子ども達に与えていく事が、子ども達にとって最良なのかもしれません。別れの時に寂しい想いをさせてしまう変わりに、今のうちにたくさんの愛情を感じてもらうことが、残り2ヶ月の私の役目の様な気がします。
中出 絵里|2009/04/09 (木)
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