写真日記
ホームステイ途中報告
チェンマイから北へ車で約3時間、ミャンマーとの国境の町メーサイの手前に
あるメーチャン。その町にある村に子どもたちはホームステイしている。村の中
には広大な水田が広がり、殆どの家が鶏や豚やアヒルを飼い、小さな畑があり、
庭には果物の木、溜め池や小さな川で魚を捕り、質素なたたずまいの家は清潔に
保たれている。これがタイの田舎の普通の暮らしだという。
今の時期は猛烈暑いので、午前中に自分の家の仕事を手伝い午後は昼寝かと思
いきや、寝るのは大人だけで、子どもたちは元気に自転車で村中を走り回ってい
るという。交替で村に滞在しているタイ人スタッフと一緒にお世話になっている
家や働いている場所を昨日名取と訪ねてまわった。子どもたちの顔は誰もが生き
生きとしていた。どう?と聞くと「サヌック(楽しい)!!」と即座に返ってく
る。
ミルクとミウがお世話になっているお菓子作りの家。美味しいと評判のその揚
げ菓子は注文に追われ、一日何千個も作り袋に詰め届けているという。ミルクは
その中身を丸める仕事を手伝い、ミウは皿洗い。「行きたくない」と言っていた
のが嘘のように楽しそうだ。青空の下、広大な水田の片隅で泥だらけになってい
たのはヌンとタンのコンビ。泥水の中でガニや小さな海老や魚を獲っているのだ
が、もちろん食用なので必死だ。トゥアナオという納豆を平たく潰して干したも
のは、ナンプリックにスープにとタイ料理では保存調味料としてとても重宝され
ている。それを作る手伝いをしていたのはピーダオ、ガンニガ、アーム。心配し
ていたガンニガは久しぶりに見る清々しい笑顔で一生懸命トゥアナオを平たくし
ていた。ポンとボーイは精米所で、スーとオンはお寺で、みんなそれぞれ普通の
タイの田舎の家の夏休みを送っている。丁度畑仕事に精を出していたのはゴイと
ダーオ、ゴイはマッサージも習い魚捕りにかけてはかなりの腕前らしい。そう元
々自然児ゴイなのだ。
丁度今日が別の家へ交替する日なのだが、ここに居たい!と大泣きしたのはプ
ロイ、メイレックとガノックにいたっては彼女たちももちろんのこと、預かって
くれている家の父母が「このまま一緒に居たいから移動しなくていいんじゃない
?!」とウェウに交渉するほど可愛がってくれている。
5月2日まであと1週間ちょっと。最後の日は「帰りたくない!!」の涙の大
合唱になるかもしれない。彼らの病気のことを理解した上で預かってくださって
いる村の人々は皆とても温かい。そしてその村の生活は決して贅沢ではないけれ
ど本当の意味での豊かさに溢れていた。このホームステイはこれからもずっと続
けたいと村の人たちも私たちも思っている。そしてもしかしたら子どもたちの何
人かは、本当にあの村で暮らし、働き、もしかしたら家族を作ったりするのかも
しれないと・・。
お昼はヌンとタンの採ったカニの塩ゆで、海老と小魚の唐揚、貝の卵炒めをコ
ムさんとエー君が作ってくれた。美味しかった!特にカニ・・。エー君は酔って
いるのかと思うほどはしゃいでいて、子どもたちと同じく村の生活を楽しんでい
る。殆どの食材は、この村の各家を回っている時に調達できると、料理上手なテ
ィムさんは喜んでいた。タイ人スタッフたちにとっても子どもたちの様々な側面
を見ることができ、そしてこれから続くこの村人との交流も、子どもたち共々良
い経験になっていると思う。
子どもたちからの報告会がとっても楽しみだ!
麻生 賀津子|2009/04/24 (金)
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