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ポー・チャイ

photp 0430-2.jpgバーンロムサイ大工チームの棟梁、チャイさん。いつも赤紫色の派手な布バッグを肩から斜めに下げて、時には大きな声で歌を歌いながら、少しガニ股気味に歩いています。そんなチャイさんは顔を見ると「エリ!ご飯は何を食べたんだ?」と決まって尋ねてきます。チャイさんの言葉は訛りが強く、それに加えて早い!最初にバーンロムサイに来た時には一体何を言っているのか理解不能でした。
先日は、縫製場の周りの工事の為朝から1日中縫製場の近くで大工さんチームが作業をしていたので、いつもに増してチャイさんと話す機会が多い週でした。最近縫製場のおばちゃん達からチェンマイ方言を教わっていたこともあり、よく耳をすましてチャイさんの言葉を聞いてみると、前はちんぷんかんぷんだった彼の言葉も何となくわかる様になっていて自分でも驚き!けれど、さすがに立て続けにあの早口を並べられると許容範囲は確実にオーバーしてしまいます・・。チャイさんと普通に会話をする寛人さんは、やっぱりすごいです!

大工さんチームが縫製場の近くで働いていた時に、男の子の棟からタムの怒鳴り声が聞こえてきました。言葉遣いもめちゃくちゃで、そのかなりの怒鳴り声におばちゃんたちと驚き外に出てみると、ベンとタムが喧嘩中。そこでチャイさんの出番!「下に降りて来い!」と2階にいるふたりをチャイさんの所に来させ、ふたりの手を取り大工さんの作業場の近くに座らせてお説教。「謝るまでここを動くな」と言い、チャイさんはそれ以上ふたりに構わず自分の作業に戻りました。途中タムが立ち上り遊ぼうとすると「何動いてるんだ」と喝。結局タムとベンはお互いに一言も口を交わさず、1時間近くじっと座っていました。ふたりの手をぐいぐい引き、あのチャイさん語でふたりを叱る姿はまさにお父さんの雷そのものでした。保母さんの数も女性スタッフの数もどうしても男性より多いバーンロムサイでは、お父さんの叱りが効き目抜群です。そんな「ポー・チャイ」の一面を見て、たった一言で威力が絶大なお父さんの言葉は、特にいたずら全盛期の男の子たちに必要だな・・と思いました。
1時間じっとしていたタムとベンは、気づいたらふたりで笑い合い最終的には一緒に木登りをして遊び一件落着。こうして子どもたちは毎日喧嘩と仲直りを繰り返し、叱られ、時々褒められながら、まだまだ続く夏休みをパワー全開で過ごしています。

中出 絵里|2009/04/28 (火)

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