バーンロムサイの子どもたちの写真を撮らせていただいて、早５年。今年も我が娘のようなプロイの誕生日を祝いにやって来た。出会った当時、７才だったプロイも12才になり、僕とプロイの関係も少しずつではあるが変わってきた。

　５年前、友人の紹介で僕は一人でバーンロムサイにやって来た。そこで、プロイと出会い、以後、５月の誕生日と10月のポートレイト撮影と毎年２回ずつ、ホームを訪れている。

　3年前、妻（当時は結婚前）が初めてバーンロムサイにやって来て、プロイと出会った。

　１年前、バーンロムサイで結婚式を挙げたとき、母と父もバーンロムサイを訪れ、プロイと出会った。

　そして、今年、僕は妻と母と、プロイの誕生日を祝いにバーンロムサイへやって来たのだ。

　少しずつ、プロイと僕の周りに家族の輪が広がってきた。僕はプロイのことを「我が娘」と勝手に呼んできたけれど、僕とプロイだけでは本当の親子のような関係は築けなかったろう。妻と母の存在があって初めて、プロイもなんとなく家族のようなものを感じることができるのだと思う。

　さて、そんな家族の輪の中心にいるプロイ。出会った当時は、僕の後ろをくっついて離れなかったのに、歯が抜けたら一番に見せに来てくれたのに、最近は、お父ちゃんに冷たいのだ。ゲストハウスでビールを飲んでいれば、「酔っぱらいはダメ」と言ってビールをどこかに隠してしまうし、今では僕ではなく妻や母にべったりだし。

　それでも、そんなつれない態度を取られたときのほうが、何となく「親子だなあ」と思える僕なのだ。これからも、「お父ちゃん臭い」などと言われそうだが、家族の輪を広げていきたいと思う。

　バーンロムサイのみなさん、本当にありがとうございました。また、10月、お世話になります。