写真日記
ポーヨー
昨日の日記にもある様に、ボランティアスタッフの陽之介くんが任期を終え日本へと帰国しました。今日は縫製場のおばちゃんたちも朝からしんみりとした雰囲気で、いつもの陽気におしゃべりをする元気な声も少なかった様に思います。オフィスからゲストハウスへ歩いて行く陽之介くんの姿を見るのが密かな楽しみだったおばちゃん達。自分の息子の様に可愛がっていた彼がついに帰国してしまうという事が相当寂しかったのだと思います。時計の針が変わる度、「もう何時、もう何時・・」とカウントダウンの様に話し、夕方になった頃には「はぁ~」というため息が私たち日本人スタッフを含めてもれていました。
ホームを出る時は、子ども達が学校から帰ってくる時間と調度重なり、大人達子ども達、みんな揃って見送ることができました。スタッフと子どもたち全員がメッセージを書いたノート。サプライズとは言え、毎年恒例になっているこのノートの存在はもうおなじみで、大工のチャイさんに至っては陽之助くん本人に「あのノートまだ書いてないけど、どこにあるんだ?」と聞いていた様だし、「ポーヨーあのノート書いた?」とガンニガに直接聞かれたこともあった様で、だいぶ前から貰う心の準備は出来ていた陽之助くん。彼に何度も怒られ、何度も機嫌を悪くしていたゴイは、何日も前から私の所へ来て「あのノートはゴイが渡すからね!」と張り切っていました。直前には「ポーヨーに帰ってほしくないからこのノートはあげないことにしようかな」と笑っていました。涙は見せなかったけれど、ポーヨーが大好きだったゴイはきっと、ものすごく寂しかったのでしょう。毎年の別れを経験している子どもたちですが、中には顔を見せない子もいたり、ひとりひとりが口に出すことは無くても寂しい気持ちは誰もが同じ。毎日耳にしていた「ポーヨー!」と呼ぶ声がこれから聞けなくなると思うと、やっぱり寂しいものです。
けれど、笑顔でみんなが大きく手を振り見送る光景は、本当に大きな家族そのもので、ポーヨーへの愛が溢れていました。縫製場のおばちゃん達、子ども達、タイ人スタッフ、もちろん日本人スタッフも、バーンロムサイにいる全ての人がポーヨーと再会できる日を楽しみにしています。
ポーヨー、コップンマーカー!
(写真は、先日の陽之助くんの送別会で踊りを披露する子どもたちです)
中出 絵里|2009/05/22 (金)
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