『バイクに乗る練習』

今日、バーンロムサイに顔を出すと、新しいボランティアスタッフの由希子ちゃんが、先輩の絵里ちゃんからバイクの乗り方指導を受けていた。チェンマイ市内や、主要な大通りまで出れば乗り合いタクシーなどの交通手段はある。しかし、バーンロムサイ周辺はなかなか乗り合いタクシーは通らないので、ボランティアスタッフにとってはバイクが主要な交通手段となる。

とは言っても、大抵の日本人ボランティアスタッフは日本でバイクに乗ったことはない。（中にはもちろん日本でバイクに乗ってたという人もいたけれど）そんなわけで新人ボランティアスタッフのほとんどは、初めのうちはこうして少しずつバイクに乗る練習をする。

バーンロムサイにあるバイクのほとんどは、４段ギア、クラッチなしのマニュアル車でタイでは標準的なバイク。エンジンは右足でキックしてスタート、左足でギアチェンジをし、右手ハンドル部がアクセル、右足にフットブレーキ、右手にハンドブレーキというもの。私も初めの慣れないうちは、ギアチェンジに戸惑い、アクセルの癖もわからずに苦労した。

まずは由希子ちゃんも、バーンロムサイの敷地内の広い場所で練習。そしてそれをパヌが見守っていた。私はそれをミルクと一緒に少し離れたところで見ていた。

「メーさきがバイクに初めて乗ったとき、転んで帰ってきたよね」とミルクは笑う。よく覚えてるな・・・と私は苦笑い。私はミルクに「ミルクはもうバイクに乗れるの？」と聞いてみた。するとミルクは「もう乗れるよ。今日、バイクで塾に行って帰ってきたとこ」と言う。聞くと、今日がちょうど塾通い初日で、ミルクはスクータータイプのオートマティック車のバイクに乗っているのだそう。「でもマニュアルのバイクで初めは練習したんだよ」と言う。「どう？メー由希子の初練習の様子は」と聞くと、ミルクは「ミルクの初練習の方が上手だな」と言って、にかっと笑っていた。

ナットやヌンがバイクで通学し始めたのはすんなり納得できたのだが、体が小さいミルクがもうバイクに乗って独りで出かけられるようになった！というのは少々驚いた。でもそんなミルクももう今年で18歳。きっとすぐ、私よりバイクに乗るのがうまくなってしまって追い越されていくのだろう。

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