写真日記
何かへん、、、
いつの頃から大の男までが自分の「仕事」に「お」を付け、多くの人が「お仕事をさせていただいています」と言いだしたのでしょう。これを不思議に思う人の数は年々少なくなってきているのでしょうけれども、私にはどうもしっくりきません。
先日見たNHKの番組で、農業関連のNPOの人が「農家さんの跡取り息子さんたち」と言っていましたし、また違う番組ではある広告代理店の人間が「企業さまの方々が、、、」と言っていた、、、何かへん「農家の跡取り息子たちが」「企業の方たちは」で良いのでは?
50年ほど前の私の子ども時代、「お米屋さん」「花屋さん」「大工さん」「植木屋さん」「ごみやさん」と相手が見える人たちに対しては「さん付け」で話をしていましたが、大人の口から企業、銀行、百貨店、宗教団体や政党を「さんづけ」で呼んでいたのを聞いたことはありません。「トヨタさん」「資生堂さん」「三越さん」「自由民主党さん」「創価学会さん」、、批判する時とかにわざと使ったかもしれないけれど、真面目に言う人は居ませんでした。
企業や団体に当たり前のように「さん」を付け出したのはいつの頃からなのでしょう。昭和40年代でしたでしょうか、演歌歌手三波春夫が「お客様は神様です」と言い出した頃と時を同じくして始まったように思います。歌を聴かせてくれてありがとう、聴いていただきありがとう。買ってくれてありがとう、売ってくれてありがとう。「お互いさま」です。お金を払う方が偉いわけでもないし、受け取る側がそれほどまで恐縮し低姿勢に出る必要もないと思います。生きていれば人は両方の立場を経験します。売る人が買う人に、聴く人が聴かせる人に、、、、今の日本の「お金を払う側=お客」に対しての「過剰な感謝反応」は何だかおかしい。今月帰国時、新たに体験したのは買い物が終わると包装された商品を店員が出口まで持ってきて客に手渡し、深々と頭を下げ、客が見えなくなるまで下げ続ける!このようなマニュアルサービスを本当に日本人は望んでいるのでしょうか?サービスとは価格に合った質の良い商品を偽装やら誤魔化しをせず販売し、聞かれた質問に的確に答え、必要ならアフターケアをする。それがサービスなのでは?地方の温泉旅館から始まったと思われるチェックアウト後のお見送りセレモニーがついに東京にも登場!全く驚き。私は「ダサイ」と思います。
タイでは寄付をする側は「徳を積むことができありがたい」と感謝し、私どもいただく立場の者は「ありがとう」と感謝し返礼する。そこで一つの物事が完結する。次はもしかして私たちが寄付する側になるかもしれないし、寄付した人が寄付される側になるかもしれない。「GIVE AND TAKE」もっと対等な立場でお互いいられれば良いのにと思います。屋台で食事をしても暗黙のうちにお互いの感謝があり、無言で立ち去る人が多いのもタイ。
言葉にしても常識にしても時代とともに変化するのは仕方がないことだが、こんなに急速にしっくりこないことが増えてきたと思うのは私だけではないであろう、、、、、
先月から定額給付金を私どもの施設に寄付をしてくださる方がいらっしゃいます。このことは素直にうれしく感謝いたします。
こんなサイトを見つけました。http://www.charity-platform.com/kikin/action.html
またこの夏からデパート高島屋で「社会貢献ギフト」が始まりました。
http://www.takashimaya.co.jp/corp/csr/contribution/gift.html
もう「物」を増やしたくないと思われている方々へのスマートなギフトだと思います!
寄付先の中に私ども「バーンロムサイ」もありますので、お中元や贈り物「何にしようか、、」とお考えの方、一度上記のアドレスを覗いてみてくださいませ。
名取 美和|2009/06/30 (火)
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