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写真日記


お世話になりました!

とうとう私にもこの日がやってきてしまいました。送別会をしてもらい、温かい言葉やプレゼントをもらい、荷物整理もほとんど終えているはずなのに、まだ気持ちだけが現実に追いついて来ていない様な、他人事の様な、何とも不思議な気持ちです。

090608-3.jpg帰る直前になって感じる事は、ここで当たり前に過ごしていた全ての時間はいつも輝いていたという事。タイ語のわからない私の手を握り、ホームの中を案内してくれたスーワイ。北海道で一足先に会ったミウは、私が着いた夜に部屋から飛び出し走って抱きついてきました。毎週末の私の部屋でのお泊り、結局来たことがないのは年長組くらいになり、ボーイは未だにお泊りの夜の話を楽しそうにしてくれます。タイ語が話せる様になってからの年長組との時間。ふざけた話から、真面目な話、時には英語の宿題を教えてあげたり・・弟と妹の様な彼らとの時間は本当に楽しいものでした。アーパイやニサー、パヌ、ペット・・年少、年中組の子たちとの絵本の時間やお絵描きの時間、ふざけて遊んでいる時の時間は、どんな時も私に元気をくれました。時に子どもたちのパワーについていけず疲れ果ててしまうこともありましたが、子どもたちの笑顔はどんなものよりも絶大な力となってくれました。そして、その笑顔と同時に「メーエリ!」と呼ぶ子どもたちの声は、ひとりひとりの声を思い出せる程しっかりと私の耳に残っています。

090608-2.jpgバーンロムサイで過ごした1年と約3カ月。きっかけは最愛の祖父の死でした。家族を愛し、周りを愛し、多くの人に優しさと厳しさを与え生きた祖父の様になりたいと漠然と思った時、ふと浮かんだのがバーンロムサイでした。ここでの生活で、大切な人を失うという事は、また新たに大切な人との出逢いへと繋がる一歩なのだと気づきました。両親を失い、HIVという病気と共に生きていかなくてはならない子どもたち。けれど、だからこそ出逢えた人たちがいる、だからこそ開けた道があるという事。私の祖父だけでなく、この子たちを残して天国へと旅立った両親や、ここでの時間を過ごし旅立っていった子どもたち、全ての命が今の命の出逢いへと繋がっているという事を身をもって感じ、学びました。この出逢いを決して無駄にせず、私なりの方法で子どもたちを見守り、この先もずっと、共に生きていけたらと思います。

090608-1.jpg愛おしくてたまらない子どもたち、縫製場のおばちゃんたちを始め娘の様に可愛がってくれるタイ人スタッフ、そして共にここで働かせて頂いた日本人スタッフを始め、バーンロムサイを通じて出逢えた方々。この素晴らしい出逢いと、ここで感じたたくさんの愛情が、私のバーンロムサイで過ごした1年間の全てです。

子どもたち、大人たち、そして日本で見守っていてくれた家族、恋人、友人。私と出逢ってくれた全ての人に、私の大好きな言葉、「ありがとう」と「愛してる」を捧げます。1年間、本当にありがとうございました!

中出 絵里|2009/06/08 (月)

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