写真日記
頭に血がのぼったときは
ある朝、黄色い花を縫製場のゲーさんが持ってきてくれました。ちょっと濃厚すぎるかな・・という、でもとても良い匂いの花です。花の名前はガラウェーといいます。何故?と聞くと、なんだかとっても疲れていてストレスがたまっているように見えたらからと言われ、この花の匂いを嗅ぐと気持ちが落ち着くからどうぞ・・というゲーさんの気遣い。そう、グライのことなど色々続き、疲れていて、ストレスがたまっていたのですが、それが表に分かりやすく出てしまっていたのは、いかんいかんと思いながらも、そんな時にさらに起こったことが・・。
電気や機械などの修理の技術を学び、将来修理工になりたいという彼の希望をかなえてあげたいと、市内の公立技術専門高校に今年の5月から通えることになったヌン。せっかく高校に行けるのだからしっかり頑張って技術を身につけて欲しいと思っていたのですが、以前は「選択授業」のシステムの意味が理解できず、何も学科を選択しないままでいたら学校から手紙が来てあわや退学となりそうになり、なんとか乗り切ったその舌の根も乾かないうちに、またウェウのところに学校から手紙が・・。
そこには「おたくのお子さんはある授業を7回続けて出席していません」という内容が書かれてありました。さすがにもう退学になってもほっとけばいい!とウェウともども怒り狂っていたのですが、まずは何か理由があるかもしれないとヌンから話を聞くと、「その学科の先生が嫌いだから出なかった」とスラリと答えたのです。しかし冷静になって自分の高校の頃を思い出すと、気持ちはちょっと分かったりするのですが、それでも事が大きくならないギリギリのところでそれなりに考えて、精一杯の反抗や悪さをしていたので、ヌンには高校生として、もっと自分の状況をよく理解して判断する力を身につけてほしいのです。もちろん誰の助けも借りずこの事態を解決しなさい!ということになり、ヌンはもう迷惑をかけるようなことはしません、一生懸命勉強します、ごめんなさい!という手紙を名取に書きました。
こうやって私たちが怒るのは、ヌンのことが心配だから、何かが起こるといつも誰かが助けてくれるという危機感のなさが、将来彼のマイナスになるのはあきらかだから。そして私たちのためにではなく、自分のために今頑張って技術を身につけてほしいということが、今回少しは彼に伝わっているのではないでしょうか・・。そうあって欲しいです。そしてガラウェーの花の匂いは確かに気持ちを落ち着かせる効果はあったような気がします。ゲーさんありがとう。
麻生 賀津子|2009/08/15 (土)
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