写真日記
自然の無農薬野菜
私の義姉(タイ人)の家はバーンロムサイと同じ、ハンドン郡にあります。
バーンロムサイ周辺は昔からあるような個々の自由な間取り、自由な配置の家が並ぶ住宅地で隣家との間隔もゆったりしていて緑も多いのですが、義姉の住む家はそれとは対照的な新築建売の新興住宅地にあります。チェンマイへ飛行機で来る際、チェンマイ空港に近づくと同じ色、形、大きさの屋根が規則的に並ぶ住宅地が目に付きます。義姉が暮しているのはそうした住宅地のひとつです。
義姉の住む住宅地は街路樹がなく、道は区画整理されて真っ直ぐ。土地はほぼ均等にフェンスで仕切られ、ほとんどの家が同じ間取りの平屋建てです。各家ごとに車庫をつけたり増築したり、庭を改造したりして個性を出しています。この住宅地の中には、個々の家の小さな庭の他には、今のところ緑はほとんどありません。
しかし、住宅地の外に出れば、まだまだ自然が多い未開発の郊外の土地。果物畑あり、大きな池があり、小川も流れていて釣りをする人もちらほら。
先日、義姉をお昼時に尋ねた時のこと。私の夫が住宅地に入る手前の路地(上の写真)でバイクを止めて、道ばたで何か探していました。手にして戻ってきたのは、「グラティン」と呼ばれる野菜でした。(下の写真)グラティンはビタミンA、繊維質が豊富。写真にあるように、花も、葉も、種の入ったさやも食べられます。この季節の若葉は特にビタミンが多いのだとか。種はお茶にして飲むこともできるそうです。
夫曰く「茹でるとビタミンが逃げるので、生のまま食べるのがいい。ソムタム(青パパイヤサラダ)と一緒に食べるとおいしいし、これ自体をソムタムと同じようにサラダにしてもおいしい」とのこと。この日のお昼ご飯は義姉の庭の木になったパパイヤで作られたソムタム。そしてグラティンが添えられました。パパイヤもグラティンも自然にできた素材なので農薬が使われていません。
その日に食べるものを道ばたや庭から収穫する。こうした自然の野菜があるタイの田舎暮らし。バーンロムサイのあるハンドン郡はチェンマイ市のベッドダウン的存在になり、新しい住宅地が増えています。それは仕方のないことだとしても、できればこうした自然の無農薬野菜を食べられる生活は失われないでほしい、と思った日でした。
小泉 幸季|2009/09/19 (土)
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