写真日記
深まりゆく秋に
ここのところ急に涼しくなり朝晩など肌寒く感じる東京の日々...秋の深まりを実感出来るのは街を歩いていて香しい金木犀の匂いをかいだ時。気持ちよいので深く息を吸い込みながら歩いていると、、、「んっ?!(げほっ、、)」今度は銀杏の実の何とも複雑な匂いが...。先日の大型台風の通過によって大分実が落ち、そこここの道で潰れてその独特な匂いを放っています。台風の後、街のお年寄りの方々がその銀杏の実を散歩がてら集めていました。
その銀杏の入った茶碗蒸しや松茸の土瓶蒸し、栗ごはんや新鮮な秋鮭、さんまなど秋の味覚で食卓が彩られるのもまた魅力的な季節ですね。そして暑くなく、さほど寒くなく過ごせる「秋の夜長」についつい夜更かしをしてしまいます。たらたらと長いメールを書いたり、DVDを見たり本を読んだり、ぼーっと考え事をしたり...。
そんな「もの思う秋」にふさわしく、シャンソンの会に伺いました。この会は「クラス・ド・フランセ」というフランス語の学校がバーンロムサイのために催して下さった、「シャンソンコース」に通う生徒さんたちの出演するチャリティ・コンサート。初心者の方から上級者の方まで、またゲストの歌手の方も交えてのシャンソンの会。パトリック・ヌジェさんの日仏双方の言葉による巧みな語りと、素晴らしい演奏にのって数々のシャンソンが朗々と唱われてゆきました。
「メロディは何となく知っているけどタイトルは知らなかった」たくさんのシャンソン、意外と聞き覚えがあることに少し驚きつつ、そのちょっと人生を思わせるタイトルにどのような歌詞なのか(フランス語がわからないままに)興味を惹かれつつ聞いていました。鍵盤ではなく、ボタン式の「ベルギー式配列アコーディオン」(私は初めて見ましたが)で奏でられるちょっと哀愁を帯びた、いかにも「フランスのエスプリ」(私の勝手なイメージですが)を感じさせる音は「粋な大人の音」のよう...。日本で「国民的唱歌」にあたるのは「演歌」かと私は思っていますが、南米のソンやポルトガルのファドなど、各国の国民的唱歌を聞き比べてみるのも面白そう...気候や国民性の違いが歌にも現れるのか、それとも市井に生きる人々の思いは共通したものなのか...?ん?タイにもそのような歌があるのかしら?...そのような事を思う秋の一日となりました。
会を催していただいたクラス・ド・フランセの皆様、熱のこもった歌と素晴らしい演奏をご披露していただいた出演者の皆様、そしてご寄付をいただきました皆様、本当にどうもありがとうございました。
佐藤 くみ|2009/10/15 (木)
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