写真日記
水
今年の雨期、イサーン地方では降雨量も多く洪水の被害もでて大変だったようですが、チェンマイの降水量は例年に比べて少なく、4年ほど前満水になりあふれていたバーンロムサイの貯水池の水位はそれ以降上がらず、井戸も満水になることもなかった為、ついに今年の夏公共水をひいてきました。
公共水といってもバーンロムサイの裏にある大きな溜め池から塩ビのパイプでホームまで水をひきその会社に使用料を支払うと言うだけの事。
ですから何の添加物もない自然の水そのまま、、、バーンロムサイではその水をまず小石や砂で濾過しお風呂用に、そして特別な浄水フィルターを通したものを台所にひいて使用しています。水をくみ上げるのにモーターを使っているので停電の時は水は出ません。また乾季の終わりの頃は溜め池も貯水槽も下に泥が溜まり、濾過しても水は透明にならず、バスタブのお湯は「泥湯」のようになり、白い洗濯物も洗っているうちにすべてうっすらと茶色になってしまいます。
10年前の来月2日バーンロムサイが開園したのですが、その直前までやはり水に関してはいろいろな問題が沢山ありました。当時公共水道はなく、300メーター程離れた運河から水をひいていた隣人の水を分けてもらい、貯水タンクに溜めておき、それを濾過して使うことにしたのですが、100%濾過しきれず、当時エイズを発症して皮膚の弱い子には雑菌も多くこれではまずいとフィルターの数を増やしたりと苦労した記憶があります。
バーンロムサイの貯水池は山からの雨水をためたもので、庭の芝や植木の為だけに使っています。3か所ある井戸も雨の日が続くと水かさは増えますが乾季には干上がってしまうこともままあります。
日本ではどこでも水道の栓をひねれば綺麗なお水が出てくるし、田舎に行けば山からの水がそのまま飲めるし、あまり水の問題について考えたことがありませんでしたが、ここバーンロムサイのあるナンプレー村では水をめぐって殺人事件まであったとききました。何かと問題のあるテーマです。
乾燥地帯にすんでいる人たちは一日一人飲み水を含め使える水が2リッターを切る所もあると聞いています。お水のない国は水を他国から買わざるを得ません。日本に居ては考えることのなかった水の問題、ここに住んでいると人間の力ではどうにもならず、雨乞いがしたくなる気持ちがわかります。
でも24日の10周年記念のお祭りの夜は「どうか降らないでください!!」
近頃チェンマイの市内に行くと大雨に合い慌ててホームに電話して「洗濯物取り入れて!」とお願すると「こちらは良いお天気ですよ」。なぜか今年のナンプレー村、雨が少ないのです。
名取 美和|2009/10/20 (火)
前の写真日記:もうすぐ24日
次の写真日記:チェンマイの貸家