写真日記
古布市場
私がバーンロムサイへ来たのは今年の8月。それよりも前から山岳民族の手刺繍がとても美しい古布が入手しにくくなっているという話を聞いていました。実際に私が来てからの古布商品の生産はそれまでに買いためてあった布があったので、かなりの量のオーダーにもなんとか対応してきましたが、今もしもたくさんのオーダーが入ったらちょっと厳しいかもしれないという状況です。
写真が古布市場の様子。いつもは土日月の3日間だけしか開いていませんが、乾季に入り涼しくなって観光客も増える今のこの時期は毎日ずっと開いています。でも写真をよく見るとわかるように、「古布」を売っているというよりは「古布を使った商品」を売っているという感じです。
以前はこんな感じではなかったということです。山岳民族の人たちも布としてよりも商品にしてしまったほうがたくさん売れると考えるのでしょうか。実際に行くたびに観光客が買い物をしている姿を見かけます。でもこれらの商品は古布というよりは古布と同じように新しく刺繍をした布と言ったほうが正確かもしれません。そして最近では手刺繍のものではなく、機械で刺繍をした布も登場しています。
そして先日はこんな風景も...
この人たちは古布市場のすぐ近くで自分たちの商品を売る山岳民族の人たちです。着ている衣装からリス族の人だとわかりますが、私がよくのぞいてみるお店へやってきて、真剣に出来上がった商品を品定めしている様子。リス語で話しているのでもちろんわかりませんが、お店の人とは違う民族のため、その人にはタイ語で質問。「いくらですか?」と値段を聞いてから「高すぎるわ!」と言うと、お店の人は「高くはないわよ。卸値よ。」と受け答え。そしてまた商品を見ながらリス語で相談。お互いに自分たちの言語ではないタイ語でのやりとりの様子が見ていて少し面白かったのと、どんな商品をそんなに真剣に見ているのだろうという好奇心でしばらく観察してしまいました。そのやりとりはまるで観光客を見ているようでもありました。
ちなみに見ていたその商品とはパンツとバッグでした。買ったかどうかまでは見届けられませんでしたが、かなり時間をかけて見ていたのでちょっと気になります。
上田 真理子|2009/12/24 (木)
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