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ゆで卵を3個

昨日の夜9時過ぎ、アサマの携帯電話に電話がかかってきた。話の内容からどうやら電話をかけてきたのはミャンマー国境近くの電気もないリス族の村に住むアサマのお兄さん。これまで夜の9時過ぎにお兄さんから電話があったことなどなかったので、気になって電話を切ったアサマにどうしたのか聞いてみると、電話の話題はちょうどその時テレビのニュース討論番組でも話題になっていた、タイ北部である電話番号からかかってきた電話を取った高齢の女性が2人もショックを起こして死んでしまったというなんとも不思議なものだった。このニュースを聞いたお兄さんの住む村の霊媒師さんから、この電話で死んでしまわないように、「携帯電話を持っているものはゆで卵を3個食べるように!」と村の人々に注意があったようで、それを聞いたお兄さんがアサマを心配し、「ゆで卵を3個食べるように!」と電話をしてきたのだそうだ。

アサマはこれまでも僕が風邪をひき頭が痛い時に、山ではこうしていたと僕の額に軟膏を塗り、額をひたすらつねったり、娘の体に湿疹が出た時には、山ではこうしていたと生の米粒をバリバリと噛み砕き、それを娘の体に塗り、箒で払い落したりと、さまざまな山の治療法を披露してくれたことがあった。ただ、それらは額に悪い血を集め、スースーする軟膏を通して悪い血を体外に出すためかもとか、米と唾液を混ぜた成分が湿疹によいのかも(箒で払うのは謎だが・・・)など、なんとなく理由があるのかな?というものだったが、さすがに今回はアサマもゆで卵は食べなくてもいいのではないかと言っていた(そもそも、ある電話番号からかかってきた電話を取るとショックを起こして死んでしまうという話自体が?なのだが・・・)。

アサマのお兄さんが住む村は電気が通っていないのだが、近くの町では携帯電話が売られており、国から住所を認められている家にはソーラーパネルが国から支給されているため、その家から電気をかりれば携帯電話の充電もできるため、意外と携帯電話の普及率が高かったのを思い出し、今頃村中でゆで卵を3個食べているのかなと思うとなんとも不思議な光景が頭に浮かんでしまう。そういえばアサマと結婚した際、この村で簡単な結婚の儀式をしたのだが、儀式の最中にもなぜかアサマと1人1つずつゆで卵を食べさせられたのを思い出した。もしかしたらゆで卵には僕の知らないすごい力があるのかもしれない・・・。


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不思議な力がある?ゆで卵3個

鈴木 寛人|2010/01/21 (木)

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