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写真日記


何もないところに洗面台を作る

 前の日記にも書いた、引越しの続きのお話。

 日本でアパートやマンションを借りるときは、引っ越したら台所やお風呂、トイレは当たり前にそこにあるもの。後はガス会社、電力会社、水道局などに連絡して手続きを終えれば、それらは使えるようになっているのが当たり前だと思っていました。

 今回、私は初めて一軒家に引っ越しました。その家は、タイでは標準的なシャワールーム兼トイレはあるものの、他の水周りが家の中には一切なく。引っ越してまずしなければならないのは、台所などの水周りを整えることでした。そしてそれは、業者に頼らず、今のところは私の夫が一人で少しずつ整えています。

 一番最初に着手したのは洗面台でした。私が「トイレを出たところに洗面台がほしい」と言ったのが始まり。でもトイレの外にはまだ水の配管がされていません。どうするのか・・・と思っていたら、まずはとても長い細めのプラスチック管と、そのジョイント用管、蛇口などをホームセンターで購入。一番近くの外壁にまで来ていた水道に、自ら管をつないで、セメントの外壁に穴を開けて通し、壁伝いにトイレ付近まで水を引っ張ってきました。その下に陶器の洗面台を置いて排水管をつけて・・・。引っ越してきた次の日には、洗面台が使えるようになりました。

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 日本の現代の家では、配管は全て設計の段階から計算されて作られ、壁の中の見えない部分にあり、意識せずとも使えるように準備されているようになっていました。しかし、今の私のチェンマイの家では後付なので、あらゆる管が壁の外側に剥き出し。

 バーンロムサイでの暮らしも似たようなもの。水道がひかれていなかったところに配管して台所を作ったり、網戸がなかった窓にあっという間に網が張られたり、何もなかったところに階段がすぐできあがったり。一度決まれば、すぐ着工。大工さんの仕事に初めは驚いたものでした。

  ない、でもあった方がいい。なら自分で作ればいい、自分で足せばいい。それがチェンマイ暮らしの面白さだなと改めて思いました。美しくはなくても、まずは使えることの方が大事なのがタイ人気質。そして見た目は完璧に整っていなくても十分に暮らせるということに、改めて気づかされるのでした。

小泉 幸季|2010/01/06 (水)

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