写真日記
匂い
2年ほど前、植木市場で何かとっても懐かしい匂いがしたのでその香りを辿って行くと何と銀木犀!初めてタイで目にしたその2メーター程の銀木犀を早速買い求め庭に植えました。
日本では金木犀の方が多くみられ我が家の庭にも何本かの金木犀がありました。可憐な小さな花と何とも素敵な香りは子どもの時から大好きな花でした。金木犀、沈丁花、クチナシの香りは私にとっては懐かしい日本の香り。
この1週間程、窓辺に植えたその銀木犀が朝晩部屋の中まで匂ってきます。匂いは金木犀と同じですが金木犀は黄色い、銀木犀は白い小さな花を咲かせます。朝、庭に下りた時「アッ、咲きだした!」と見に行くとやっと咲き始めたたった二、三輪の小さな花がこれほどまで匂うものかと驚くほどの香りを庭中に漂わせています。日本では年に一回しか咲かなかったと思いますがここチェンマイでは嬉しい事に年に数回花を咲かせてくれます。
クチナシの花はタイにも沢山あり、葉っぱも付いていない花だけがバナナの葉に包まれ市場で売られています、お供え物に使うのでしょうか。またジャスミンの蕾で作られたレイ、この花の鎖は交差点で車を止めると子どもたちが売りに来るので私も度々買ってはバックミラーに掛けるのですが、お日様が当たるとアッと言う間に白い蕾が開花し、ひらくと薄紫色の花が良い匂いを漂わせてくれます。その他香りのよい花はイランイランと言う名の香水の材料となる花、そして南国を代表する花プルメリ。そしてイェーライシャン、この花は「夜来香」との名の通り夕暮れとともにまさに「東南アジアの夜」の香りを漂わせてくれます。その他にも沢山匂いのある花はありますが、タイ人が「良い香り」と感じるものが私にとっては匂う??臭い??ちょっと違うな、、、と感じられる事もたまにあります。
匂いの思い出は限りなく、その匂いを嗅ぐと遠い昔の出来事がよみがえります。花の香りだけではありません。香水の香りだったり、ふと嗅いだ黴の匂い、、、
風の匂い、雨の匂い、焚火の匂い、すれ違った時にふと感じる人の匂い、お味噌汁の、酢キャベツの、ワイン蔵の、菜の花畑の、、、、そしてそれぞれの国の匂い、、、、
銀木犀の香りがフト匂うと幸せだなぁ、、、と今日も思いました。
名取 美和|2010/01/10 (日)
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