写真日記
食事
月曜日から土曜日の昼食と夕食は、コックのプロイさんが一人で作ってくれます。病院の厨房で以前働いていた彼女の作るご飯は、美味しい時とそうではない時の差が結構あるのです。私たち日本人だけではなく、タイ人スタッフからも、また最近は外で食事をする機会が増えた年長の子どもたちからも「今日はあまり美味しくない、辛すぎる、しょっぱい」との声がここ最近頻繁に聞かれるようになったのです。外食の機会が少ない小さい子どもたちにとって、比較の対象がないだけに、「この料理の味はこういうものだ」と思ってしまうのも可哀想ですし、何よりも極度にしょっぱく辛いものを小さい頃から食べていて、体に良いわけがありません。タイ料理はもちろん味もしっかりしていて「辛い」というのが一般の印象ですが、辛くないもの、また「辛い、甘い、酸っぱい」のバランスがほど良い美味しいタイ料理がたくさんあります。(地方によって、また個々の味覚の差はありますが)
かつて何度か「もっとバランス良く、味付けも薄めに、見た目でも食欲がわくように、そして子どもたちが毎日『今日のご飯は何だろう』と楽しみにして帰ってこられるような料理を作って欲しい」とプロイさんに話しましたが、落ち込んだり、また奮起してしばらくは頑張るのですが、長く続かないといことが繰り返されて来ました。
食べることは生きてゆく上で本当に大切なことです。そして子どもたちにはバランスの良い美味しい食事を食べさせたいのは当然のこと。プロイさんがお休みの日曜日は保父母が交替で子どもたちも手伝って作ります。もちろん毎日のことではないからと100歩譲っても、保母さんたちの料理は味も程よく、美味しく、子どもたちの(大人たちも)食欲が倍増するという現実を考えると、もう一度プロイさんに話をして努力してもらう必要があるということになりました。特に凝ったことをする必要もなく、普通のタイの家庭のご飯の美味しいものを食べたい、もっと野菜を多く使い、味も内容もバランスの良いものを作って欲しいとお願いしました。最初はちょっと落ち込んだようですが、以前のようにそれが長く続くこともなく、それ以降プロイさんは野菜を多く使い(以前は3種類の料理がすべて肉!肉!肉!というのも頻繁にあったので)、料理の色も以前よりは綺麗になり、少しずつ成果が出て来ています。言ったからにはちゃんと味見をしなくては・・と、昼夜と試食し、遠慮せずに「辛すぎる」「しょっぱすぎる」と言うことにしました。まるで小姑のようです。味を薄くして、足りない人は唐辛子やお酢やナンプラーで味を個々に調整すれば良いのですから。
そしてもともと辛い、しょっぱいという味が彼女の「味」なので、プロイさんが「物足りない」と思う位が丁度いいかもね、と話しています。「何を言われても大丈夫だから正直に言ってくれればガンバル!」と明るく答えてくれるので、そして小学校しか卒業出来なかったからと、日曜日には高校卒業の資格を取るために学校へ通っている努力家のプロイさんだから、きっと毎日バランスのとれた美味しいご飯が食べられるようになると思います。プロイさんの作るクッティアオ(タイのラーメン)はとっても美味しいので。
今日はプロイさんがお休みだったのでティムさんのゲーン・キアオワーン(グリーンカレー)がお昼のメニュー。日本のタイ料理屋さんでは白米と一緒に食べることが多いですが
こちらでは「カノムチーン」という米を発酵させて作った麺と食べる人が多く、今日は贅沢にも白米と麺の2種類。茄子やハーブ、豚肉と一見レバーのような血の塊入り。程よい辛さで料理上手のティムさんのグリーンカレーは美味しかったです!
料理の上手い下手はセンスもありますが、やはり「美味しいものを食べさせてあげたい!」という気持ちが食べる側に伝わり、そして「美味しかった!ご馳走様!」と言われれば美味しいご飯を食べた人も作った人も、双方がシアワセになると思うのです。約50人分の食事を毎日作るのは大変だと思いますが、「頑張ってくださいね!プロイさん!」
麻生 賀津子|2010/02/08 (月)
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