写真日記
ベンの記念すべき日
2007年10月の親戚探しの時、ウタラディット県に住むベンの母方の祖母と2つ違いのお兄さんの居場所が分かり、スタッフは祖母からベンの詳しい話しを聞くことが出来た。さらにお母さんも生きていることが判明、ピサヌローク県で歌手として働いていて、HIVに感染している母は、薬を取りに定期的にウタラディットの実家に戻って来ると言う。その後、ベンにお母さんから何度も電話があり、今回の夏休みに絶対会わせてあげようという話が進んでいた。
そんな矢先、今日突然ベンのお祖母さんと兄のべック、そして伯父さん夫婦と従弟がバーンロムサイへやって来た。伯父さんがサンサーイ市というハンドンからそれほど遠くないところに住んでいて、祖母はそこへ手伝いに来たという。そしてベンに会いたくてバーンロムサイへやって来た。しかし丁度学校に行っている時間だったので、タイ人スタッフたちはお祖母さんたちを小学校まで連れて行き、そこでベンは彼の記憶の中では初めての親戚との対面となった。
ベンが2歳になる前に父母が離婚、父親としばらく暮らしていたが、彼が肺炎で亡くなると(おそらくエイズを発症)、べックとベンは検査をされ、ベンだけがHIVに感染していることが判明。その時点で父方の祖父はすぐにベンを公共福祉施設に預けてしまった。それからビエンピン孤児院を経てベンはバーンロムサイの子どもとなったのだが、母方の祖母や叔母はベンがチェンマイの何処かにいるらしいと聞き探したが見つからなかったという。
お祖母さんは今日ベンと会って彼を抱きしめながら泣いていたそうだ。そしてベンはそのまま皆とバーンロムサイへ戻って来て、兄のべックと5歳の従弟と遊んでいた。お祖母さんがベンの母親(現在は再婚してバンコクに近い所で鶏肉を焼いて売っているという)に会えたという電話をし、ベンもお母さんと電話で話し、来月末にはウタラディットで会うことを約束した。2歳になる前の話しなので、親や祖父母と暮らしたことは覚えていないベン。最初は今の状況がうまくのみこめて居ない感じでキョトンした顔をしていたが、お祖母さんたちが再会を約束してホームを去った後、落ち葉掃きをしながらなんだか楽しそうに歌を唄い、一人でニヤニヤしているベンは、初めてお祖母さんやお兄さんに会えたことをしっかりと分かって、またお母さんと電話で話が出来、嬉しくてたまらない様子だった。
すでにお祖母さん(といっても54歳)は孫を2人育てているため、ベンを引き取ることは現実的に難しいし、お母さんも再婚相手とのことがあり、一緒に住むという話はまだ先になるか、あるいはお休みの時にだけ会うことになるのか、そのあたりの話しはこれからになると思う。
今年の夏休み、親戚の居る子はその家へ、まだ見つからないが手掛かりのある子どもは
タイ人スタッフが探しに行くことになっている。今日のベンのように嬉しい対面が出来る子どもが出てくると嬉しい。
『嬉しいこと、その2』
チェンライの村でホームステイをしているポン。先日もゴイと一緒に検査のために戻って来たが、あのなんとも頼りない感じの男の子がすっかり逞しくなって来た。今年中学を卒業するポンは工場で扱う機械のことを専門的に勉強したいと言い、チェンライのお父さんとも色々と相談し、希望の技術専門高校の試験を受け、今日合格したと連絡が入った。誰よりも喜んでいるのはチェンライのお父さん!そして昨年夏休みのホームステイがきっかけで、チェンライに住み、自分の意志で、そして実力で自立への道を一歩進んだポンのことは、本当に嬉しい。
『嬉しいこと、その3』
2月18日から始まった「たっぷりチェンマイ!」の旅。昨日この記念すべき第一回目の旅に参加してくださった皆さんがチェンマイを発ち、今朝無事に成田に着いたと聞き一安心。事故も怪我も病気もなく、参加者の皆さんがとても仲良くなり、「たっぷり!」楽しんでくださったと、また他のツアーでは経験できない充実した毎日を過ごしていただけたと思う。詳細は後日あらためて日記で報告することとして、まずはこの旅が無事に終わったこと、本当に嬉しい!
麻生 賀津子|2010/02/23 (火)
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