写真日記
スパラット先生
今日は久しぶりに子どもたちの主治医スパラット先生が看護士さんやエイズの啓発活動をしている仲間と一緒にホームに来てくださいました。まずは子どもたちと一緒に遊び、歌い、踊ったあと三つのグループに分かれそれぞれHIV/AIDSについての勉強会をしました。
私は13歳以上の子どもたちのグループに参加しました。このグループはスパラット先生を中心に、子どもたちがHIV/AIDSをどう思っているのか、どのように付き合っているか、感染の事を友達は知っているのか、HIVウイルスはどういう悪さをするのか、薬を飲むとどうなるのかという話から女の子用のコンドーム、男の子用のコンドームの正しい使い方まで教えてくれました。
HIVウイルスを「友達」「親友」「ペット」と思って付き合っている子、その事実を悲しく辛いと思っていた時もあったが今はこれを「普通」と思えるし、自分が感染していると話したら離れて行った友達もいたけど、関係ないよと言ってとどまってくれている友達もいるという話や、自分からは感染しているとは言わないようにしているんだ、という子がいる事もわかりました。
HIVウイルスはどこに居るのか、薬はそのウイルスを増やさないよう頑張っている話、また薬を飲み忘れると折角抑えられていたウイルスが出てきて強くなり薬の耐性が出来てしまうその経緯を絵に書いて分かりやすく説明をしてくれました。またHIVウイルスは一種類だけではなく7種類くらいある事や、黄色人種、白人、アフリカ人ではそのウイルスの形が違う事、違う種類のウイルスが結合し新しい種類のウイルスが出来てしまいウイルスの種類が増えてしまったそうです
自分たちが感染させない為、また人のウイルスを貰わない為にはどうすれば良いのかという話から、セックスをする際は必ずコンドームを使わなくてはいけない事、そしてその正しいつけ方まで指導してくれました。
HIVウイルスが消えてなくなる薬はまだないのかとの質問にスパラット先生は「今タイ国内で5000人の研究者がHIVウイルスの研究をしているけれども、まだウイルスを退治する薬は残念ながらまだ出来ていないので、このまま毎日今の薬を飲み続けてください」そしてHIVに感染している事はちっとも恥ずかしい事ではないけど、もう皆大きくなったのだから自分の体の状態を自分できちっと把握し気をつけて暮らしてほしいので、それぞれのウイルス値やCD4の値を知っておいてくださいと血液検査の結果表をくださいました。
私たちが話をするよりお医者様から言われるのでは子どもたちももっと真剣に耳を傾けてくれるので今日のスパラット先生からのお話は本当に有難かったです。タイでは性の話はしづらい中きちっとコンドームを手に取り教えてくれました。あとでスパラット先生も「やっとこの頃こういう話がオープンに出来るようになったのよ」と話していました。
年少グループはHIVってどんなもの?を絵に描いたり、優しく分かりやすい説明を受け、楽しく歌い踊り遊びながら学んだようです。また保母さんは看護士さんからお薬の詳しい説明を受けていました。
朝の9時から午後4時まで、子どもたちが飽きずに最後まで話を聞いてくれたのは、やはり彼らにとっても大切な話、そしてそれを楽しくしかし真摯に伝えようと努力してくださったスパラット先生とお仲間のおかげです。意義深い一日でした。スパラット先生とお仲間に感謝!また来てください!!
名取 美和|2010/02/28 (日)
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