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写真日記


卒業、進学、留年、、、

先日、子どもたちが画室で絵を描いている姿を見ながら、この一年も多くの方々からのご支援、ご協力があったからこそ、子どもたちが今現在こんなに元気でいられるのだと実感いたしました。多くの皆様に支えられている命、本当に有難く嬉しい事だと思います。。

免疫力が落ちエイズを発症、結核、湿疹が悪化し半年間一人隔離室で過ごした最年長のミルクも今年は19歳。希望校への学校推薦もありこの5月から専門高校一年生。もうだめかと思ったミルクが元気でいる姿を見るたびに、皆さまからのご支援がなかったらどうなっていたのかと考えてしまいます。猫の絵ばかり描いていたテンモーは思春期真っただ中、学校の友達といる時が一番楽しい様子。彼女もこの5月から高校生です。アームは古典舞踊専門中学を卒業、引き続き同じ学校の高等部へ進学します。アームと同じ学校に通っているスーは現在卒業が危ぶまれ、、、追試を受けなくてはなりませんが、上手く行けばそのまま進学出来ますがもしかして留年と言う事もありえます。オンとタンの運動大好きな二人は「スポーツ枠」で公立中学校への入学が決まっています。ガノック、プロイ、スーワイは今通っているシーピンムアン小学校からそのまま同じ中学へ進学。当初体調を崩しがちだったペットも小学校1年生に。ここから150キロほど離れたチェンライ県の里親の下で暮らしているポンは、地域の技術系高校へ入学が決まりました。シントーは電気技術の専門学校へ進みます。ピーダオは大学へ入学、秘書科を専攻するとの事。このように一人一人が少しずつですが将来の夢に向かい確実に歩み始めました。

このホームページの子ども紹介から何人かの子どもを削除しました。新しいスタートを切る時に「HIV感染」を公にする必要はないと判断した結果です。全ての人がHIV/AIDSに対して理解があるとはまだ言えないのが実情です。HIV/AIDSに母子感染した彼らは始めて大人になり社会に出る第一世代。開園当時平均寿命が5歳と言われていた彼らがここまで生きて来られた事は本当に嬉しく、亡くなった10人の子どもたちの分も幸せに生きてもらいたいと願っております。
 
 
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「おかげさまでみんな元気です!」2010年3月27日撮影

 
 
昨年度は社会貢献支援財団から全国の50人近い方々と共に日本財団賞をいただきました。また国際ソロプチミスト逗子・葉山からご推薦をいただき財団法人ソロプチミスト日本財団の「国内・国際援助金贈呈先」として選ばれ、援助金を頂きました。この援助金は子どもたちの進学に必要な費用に充てさせていただきます。バーンロムサイで製作したプロダクツの購入、ゲストハウスでの宿泊、賛助会員になられた方々、個人として寄付をしてくださる方、社会貢献の一環として支援して下さっている企業、そしてこの活動を賞してくださる団体の皆様に、子どもたちにとっても卒業の節目に当たるこの月に、今一度私どもの感謝の気持ちをお伝えいたしたくこの場を借りて御礼申し上げます。

「寄付だけに頼らない運営」を目指しバーンロムサイも自立に向け努力をしておりますが、まだまだ皆様方からのご支援が必要でございます。

不幸にもHIVに母子感染してしまった子どもたち。
一生飲み続けなくてはならない薬、未知である薬の副作用、そして孤児であると言うハンディを背負いながらも、HIV母子感染孤児の第一世代の彼らが社会に巣立つまで、子どもたちの成長と共に私どもバーンロムサイの活動を皆様方には見守り続けていただきたく、心よりお願いを申し上げます。

名取 美和|2010/03/31 (水)

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