写真日記
チェンマイで作る日本の味
私もいつの間にかチェンマイで暮らすようになって通算4年近くなり、チェンマイ在住の日本人の友人、知人が増えてきました。そんな中で、日本人として共通の話題はやはり食。日本食材がどこで手に入るかとか、おいしくて安全なお野菜はどこで買うとか、どこのお店の何がおいしいかとか。
そんな中で私が最近、新鮮に思ったことは、タイにあるもので工夫して日本の料理を作る、ということでした。
例をあげてみると・・・
友人たちと白玉団子の話をしていたとき。白玉粉はもち米の粉。チェンマイでももち米はよく食べられるのだから、白玉粉に近いものがあるのでは・・・と話をしていた。友人の中のひとりが、白玉粉代わりに使える粉、知ってるよ、とのことで見せてくれました。パッケージはタイのもの。白玉団子を作るために作られた粉ではないけれど、十分な白玉団子は作れた、とのこと。
とあるお宅におじゃましたとき。酒粕のきゅうりの漬物が出てきました。聞くと、「酒粕」はタイのものを利用したそう。スーパーマーケットでタイの米麹のお菓子を見つけたそうで、そのお菓子を食べてみて、漬物に使えるのでは?と思ったそう。キュウリは最近タイでも日本のきゅうりと同じ品種のものが買えるようになっています。漬物を漬けるときは、日本から持ってきた蓋にバネの重しがついたプラスチックの漬物容器を使っているそう。
別の日、同じお宅でちらし寿司をご馳走になりました。そのときにちらし寿司に紅生姜が添えられていました。どちらで紅生姜を買われたんですか?と聞くと、自分で漬けた、とのこと。タイの生姜は、タイ料理に欠かせない食材のひとつなのでどこでも手に入ります。その方が言うには、新生姜が出回る時期にたくさん買いこんで、甘酢に漬けるのだそう。赤い色は?と聞くと、タイのお菓子に使う食紅のようなものを見つけたので、それで色だけ付けてるの、とのこと。
日本食材だからタイにはない、であきらめない。恋しくなる食べ物がタイにはない、なら、材料はあるのだから自分で作る。ない、なら作る、というシンプルな基本的なこと。そして固定観念にとらわれず、違う用途のものでも何か利用できないかと使い道を探る。そうしたことを改めて、タイにいる友人たちに気づかされることが多いです。
そして、このことに気づかせてくれた友人のひとりは、私に教えてくれました。「昔はこうやってみんな、何でも自分で作っていたのよ。日本だって昔は何でもスーパーで買えたわけじゃないんだからね」その友人は80代の日本人女性。こうして年齢を超えた友人ができて、世代を超えた話が聞けるのも、チェンマイ生活ならではです。
小泉 幸季|2010/07/25 (日)
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