写真日記
テンモーと日本語
5月末の交通事故からもうすぐ4カ月が過ぎようとしています。チェンライのホームステイにも一緒に行き、時々フラッとすることはありますが、後遺症もなく奇跡的と先生が言うくらいのスピードで順調に回復しているテンモー。たくさんの方が彼女の回復を心から願ってくださったおかげと、そして本人の生命力の強さも大きな力となりました。
来年5月まで1年間休学中のテンモーは、1週間の予定を学校の時間割のように(そこまで細かくないですが)組み、保父母の手伝い、台所の手伝い、縫製場、図書館、洗濯場、そしてオフィスと色々な場所で働いたり、勉強したりしています。オフィスでは訂正シール貼りなどの単純作業もありますが、せっかくなので本人の意向を確認した上で日本語の勉強もすることになりました。実際今高校に通っていたら彼女は日本語の授業を選択しているので、来年復帰しても遅れをとらないようにとの思いでした。
先日学校の教科書を持って来たテンモーは、「平仮名は覚えている」と、「あ」から「ん」まですらすらと書く事が出来、そして教科書をパラパラめくってみると後ろの方まで記入してあります。聞いてみるとまだICUに介護士さんと一緒に居る時に、時々日本語の勉強を一人でやっていたとのこと。最後のページの方も全部正解!学校の勉強の遅れをカバーするというより、どんどん先に進んでおこうと方針を変更。これから裕子さんと一緒に計画をたててみる予定です。
以前外に下宿していた時も、一人で日本語をノートに書いて勉強していたテンモー。「私はこんなにやっているの!出来るの!」とアピールするタイプではないだけに、まだ事故の後遺症が癒えない辛い時期、ICUで日本語の教科書を開いて勉強していたテンモーの姿を想像すると、なんともいじらしくなります。そしてナットと同じく彼女にも日本語を頑張ることで自信がつき、他の教科もがんばるという良い連鎖反応に繋がり、いつか日本に留学できれば・・と、嬉しい想像を膨らませるのでした。
『ノイさん』
昨晩、全員チェンライのホームステイから戻ってきました。話しを聞こうにもそれなりに大人も子どもも疲れているのと、テンションの高いままの子もいて、ワイワイ雑談で終わってしまったので、来週落ち着いて話しを聞きまた報告します。とにかく普通の家よりも圧倒的に外の空気に触れる事が少ないホームの子どもたちなので、さらにいつもと違うお父さんとお母さんの居る家に泊っての3泊4日は、それぞれ違った楽しいそして良い経験になったと思います。
さて、今回のチェンライにタイ人スタッフが全員行ってしまうと、何かあった際私たち外国人だけでは対応しかねることもある・・ということで、オフィススタッフのノイさんが残ってくれました。丁度ナットが遅れて参加することになり、彼をバスアーケードまで送ったり、昨日学校があったため1日早くバスに乗って戻って来る事になったミルクを迎えに行ったり学校まで送ったりと、何かと忙しかったノイさん。
丁度お昼ご飯が二人だけだったとき、単身赴任のご主人の話しとなりました。彼女はご主人のご両親と息子と一緒にチェンマイに住んでいるのですが、先日お休みをとって夫の赴任先、ウボンラチャタニーへ行っていました。某お菓子メーカーのマネージャーのご主人は北タイとイサーン(東北地方)一帯を担当しているため、交通の便の悪い中、車で飛び回っている超多忙な日々。なかなかチェンマイまで来る時間が取れないので「私が行った方がゆっくり出来るのよ!」と6時間ほどかけて夫の元に。義父母と息子はチェンマイに残し、久し振りに二人っきりで過ごした休暇は結構楽しかったようです。
しっかり者でタイ人には珍しい几帳面なノイさんですが、キャラクターものが好きだったりお菓子が好きだったりと子どもっぽいところもあり、お願いしたことはきちんとやってくれるし、整理整頓は得意だし、そこそこ冗談も通じるし、オフィスにとって貴重な人材となっています。
麻生 賀津子|2010/10/23 (土)
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