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写真日記


隣国ミャンマーへ

先月、名取美穂と一緒にお隣ミャンマーへ行って来ました。2005年に友人を訪ねてから5年振りのミャンマー。今回はその友人がミャンマーで行っているプロジェクトの件と、バーンロムサイのプロダクツに使用する少数民族の古布購入などが目的です。ヤンゴンとインレー湖の2ヶ所をまわりました。

現在、チェンマイ⇔ヤンゴンはエアバガンでなんと片道45分!ヤンゴンからインレー湖への国内線より近いのです。

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インレー湖の夕方

インレー湖はシャン高原にある南北22キロ、東西12キロの縦長の大きな湖で、水草が浮島を作り、そこにインダー族やヤオ族が家を建て村を作り生活しています。通学も船で移動。水上栽培や漁も盛んな、とっても気持ちの良い所です。とにかくお米とお野菜がとても美味しく、トマトとジャガイモ、5日に一度たつ水上市場で食べたレンズ豆の豆腐に、蓮の葉に包んで蒸した赤米・・。すべてが美味でした!


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何かこの土地でバーンロムサイのプロダクツとコラボレーションさせてもらい、同時に支援に繋がればとの思いがあったのですが、蓮の繊維で織った布は高値がついていますし、何よりも支援が必要とは思えない、豊かさなのです。お金持ちということではなく、日が昇ると働き、日が沈めば仕事を終え、高齢になっても皆仕事があり仲間と楽しそうに話しながら手を動かす・・。活き活きと生きているのです。ここに住むインダー族はとても良く働くと聞きました。このお金では買えない豊かさを、若い人に引き継いで大切に守っていって欲しいと切に切に思います。

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蓮の繊維の糸を紡ぐ老女


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アーパイはミャンマー人。向かって右の女の子、どことなくアーパイに似ています


ヤンゴンに住む友人の名前は正田信子さん。ツアー会社を営みながらミャンマーの子どもたちの教育支援を続けています。そのためにMESOというNGOを立ち上げ、石鹸プロジェクトを開始。その名も「MESOap」。(詳しくはURLをご覧ください。→http://meso-intl.org/j-about.php) この100%PURE NATURALな石鹸を作っているのはカイカイレイという女性です。少数民族の彼女は小さなころから過酷な生活を送り、教育も受けることが出来ませんでした。しかし今はこの石鹸の責任者で、オフィスの台所で丁寧に丁寧に作っているのです。5年前、約30年振りにヤンゴンで再会したのも何かの縁。これから隣国ミャンマーで奮闘している正田さんのMESOとバーンロムサイは、ミャンマーの子どもにとっても、タイの子どもにとっても、両方にとって有益なことに繋がるよう、色々と協力し合って行きたいと思っています。こんなに近くに居るのですから。


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カイカイレイが石鹸作りの工程を順番にやってくれました。とても繊細で丁寧な仕事です

正田さんの会社やまわりのスタッフたちは、皆日本語が驚くほど流暢です。ミャンマー語を覚える必要がないと彼女は苦笑していました。電話だとまるで日本人と話しているよう。ミャンマー人は小さい頃から何でも声に出して覚えるそうで、いわゆる「九九」も24×24まであるそうです。とても識字率の高い国で、優秀な国民です。私たちをサポートしてくれたガイドのミンミントンさんは、いつもロンジーという民族衣装を身につけ、日本語はもちろんですが、英語も話せ、さらにあらゆることに詳しく、なんでも知っているのには驚きました。日本の文化や伝統なども私たちより詳しいかもしれません。

帰る日、空港へ行く前に、「僧院学校」で正田さんがボランティアで日本語を教えているというので、そこで名取美穂がバーンロムサイの話しをさせて頂くことになりました。市内から少し離れた素朴な村の一角にあるお寺の敷地には、無料で貸してくれる部屋があり、週末誰でも自由に無料で受講できる、語学学校に使われています。彼女のクラスは上級者とのことで、持って行った「ガジュマルの木の下で」も普通に読んでいましたし、とても熱心にHIV/AIDSの話を聞いてくれ、的確な質問が日本語でポンポン出る優秀な生徒さんたちばかりでした。寺子屋という言葉の方がしっくりくるような、素朴な僧院学校は、機会があれば少しでもたくさん勉強したい!というミャンマーの若者たちの気持ちがヒシヒシと伝わって来る素敵な場所でした。

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僧院学校の部屋の前と、お話会の様子

最後に、2007年9月27日、ヤンゴンで起こった僧侶・市民たちの反政府デモ取材中に軍兵士から至近距離で銃撃され亡くなった長井健司さんの、「その場所」に行って手を合わせて来ました。長井さんが初めてバーンロムサイを取材してくださり、その映像が放送された事で、たくさんの方たちがバーンロムサイの事を知り、そして今も支えてくださっているのです。あらためて感謝するとともに、ご冥福をお祈りいたします。

麻生 賀津子|2010/11/05 (金)

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