トップ > 写真日記

写真日記


シェア ハウス

先日、NHK「クローズアップ現代」で「シェア ハウス」「コレクティブ ハウス」が取り上げられていました。血縁関係にない者同士が、個々の住居スペースを持ちながら、食堂やリビングルームを共有し同じ屋根の下で暮らすシステムの事です。

1980年代中頃からでしょうか「自分だけの物、自分だけの時間、自分だけの空間」にこだわり、ワンルームマンションに住み、コンピューターゲームで遊び、他人との接触はネット上のみ。他人とのかかわりは面倒くさい、煩わされたくないと考える人たちが増えて来たようです。しかしあれから四半世紀、帰宅しても「お帰りなさい!」の声もなく、一人でコンビニのお弁当を食べ、パソコンと向き合うだけの暮らしをむなしいと感じ、誰かと「物や時間、そして空間」を共有したい、共感したいと言う人間として自然な姿に少しずつ立ち戻って来たのだと思います。

また配偶者との死別、または離婚未婚のまま歳を取り一人となった高齢者たちの多くは、「人様の迷惑になりたくない」と一人暮らしの中、老いてゆきます。

働きながら子どもを育て、誰にも相談できず孤立無援と感じているシングルマザーも増えて来ているようです。

この様に淋しいと感じだした人たちが今大きな家を借り、「シェア ハウス」「コレクティブ ハウス」と言う名のもとに共に暮らし始めたと言う番組でした。「向こう三軒両隣」的な暮らしの良さを再認識して来たという事なのでしょう。「いってきます!」と隣人に声を掛け出かける。雨が降り出すと留守宅の洗濯物を取りこんで上げる。「お醤油、貸して」と近所の家から借りる。お母さんが出かける時隣のおばさんに「ちょっと出かけてきます、よろしく!」と子どもを頼んで出かけられる。「ただいま!」と言うと「お帰りなさい」の声が返ってくると言う一昔前まで都会でも当たり前だった暮らし。

みんなと食事をしたい日には共有スペースでみんなと食事が出来る、会話がある。面倒なこともきっと沢山あります。話し合い決めなくてはならないルールも出てくるでしょう。その為には相互援助、話し合いも必要ともなります。この「シェア ハウス」や「コレクティブ ハウス」が充実してくれば、行政に頼らずお互い助け合うと言うコミュニティーとしてのベースが構築されるのではないでしょうか。


しかし「共同生活」「向こう三軒両隣」的な暮らしを実行するには、大前提となる事があります。それは「自分」と「他人」、「プライベート」と「公共」この微妙な境界線をわきまえる事です。そして助けを必要としている人を、その時助けられる人が援助する。「優しくおおらかな心」「他人を思いやり分かち合う気持ち」を育めば、心地よい距離感で「共同生活」を送る事が出来るはずです。


いつの日か「一人の時間も大切だけれども、やはり誰か近くに居てもらいたい」と思う日が来た時、常識をわきまえた気持ちの良い人たちと心地よい距離感で暮らしたい。そしていよいよ介護が必要となった時には、バーンロムサイで育った介護師に介護され、優しく親切なお医者さまに痛みを緩和してもらい、、、

遺灰はピン川にジャスミンの花とともに流してもらう、、、


101110-1.jpg 101110-2.jpg 10111--3.jpg


誰でもが通過する「老~病~死」が少しでも心地よく過ごせる環境を作りたい、、、、、番組を見た後、そんな事を考えました。

名取 美和|2010/11/10 (水)

前の写真日記:晩ごはん@白樺

次の写真日記:

写真日記一覧へ戻る