写真日記
『ブンスームさんの写真展』 / 『ナンプレー村、湧き踊る!!』
本当に久しぶりに、気持ちの良い写真展へ行ってきました。昨日6日より27日(日)まで、ピン川沿いの「旧ホテル・シープラカート」にて開催されている写真展「ブンスームさんの写真館」。
この写真展は、チェンマイと北タイの日本語情報誌「ちゃ〜お」が主催する写真展。ブンスームさんは1962年に「タイ・ピューリッツアー賞」を受賞したチェンマイ人カメラマン、変わりゆくチェンマイの街を撮影し続けてきたほか、北部タイの古い写真の収集家でもあるそうです。
「ちゃ〜お」には「ブンスームさんの写真館」という連載があり、ガイドブック「たっぷりチェンマイ!」の著者の一人、古川節子さんが昔のチェンマイの写真についてブンスームさんにお話を聞き、それが一話づつ掲載されています。そのようなつながりから、古川さんと、そして同じく「たっぷりチェンマイ!」の著者であり「ちゃ〜お」の記者でもある岡本麻里さんが中心となり、この企画を進めてきたとのこと。
ブンスームさんの写真、そして収集された写真から変わりゆくチェンマイの街の記録を辿るのは、日本でも「古き良き街」がだんだん失われてきたのと同様、画一的に近代化され、その街の良さが失われてゆく過程を辿ることとも言えます。経済発展や利便性を追求した結果、住む人々の暮らし向きは良くなったとしても、その街の個性が消えてゆくことは「文化を捨てること」と同じなのかもしれません。
この写真展では、昔の写真の中に「保存された」良き時代に触れることが出来るだけではなく、2階に展示された古川さん、岡本さん、「ちゃ〜お」の高橋さんの写真、そしてチェンマイ大学美術学部の学生さんによる写真の展示からは、今もなお残る古いチェンマイの魅力、そして新しく息づいた近代的な文化と若者たちの写真に、元気なチェンマイの今のすがたを見てとることが出来ます。
また、「奈良まちづくりセンター」とコラボレートしたパネル展示も、各地の古都がどのようにその文化を守っているのか、知ることが出来、展示は興味深く、盛りだくさんの内容となっています。
しかし、何よりも私がこの写真展が「最高にすてきだ!」と思うのは、旧ホテル・シープラカートが、この写真展の意図にぴったりとあった、素晴らしいギャラリーとなっている点です。
「ホテル・シープラカート」はピン川ほとりにある、約100年前に建てられたアメリカン・コロニアル様式の木造の建物。50〜60年前のホテル全盛期には、チェンマイを代表する5つ星ホテルとして名を馳せたそうですが、老朽化が進み十数年前には廃業、取り壊しが決まっているそうだ。
岡本さんのブログには「そんな旧ホテルで写真展を開催することによって、チェンマイの古い建物や街並の良さを見直そうという試みでもある」とあります。
会場を苦労して掃除し(本当に大変だったそうです)、ライトを入れ、最小限の布のサベージと鉢植えの植物を置いて、、素晴らしいギャラリーとなって建物は息を吹き返しています。
2階の廊下で、かろやかに吹き抜けるピン川からの川風を受けながら、のんびりと写真をみる時間は、最高に心地よい時間でした。
チェンマイにいらっしゃる方はぜひ見に行ってみてください。
詳しくは、
http://www.chaocnx.com/photo/
タイで初めて写真館を開いたという日本人カメラマン、田中盛之介の撮影室を復元した部屋も有ります。ここでポートレートを撮影しても良いそうですよ。
『ナンプレー村、湧き踊る!!』
「土曜日で終了するだろう、、」と思って耐えていたのですが、まさか日曜まで、、、。先週は"ディスコ・カー"が登場し村中が近くの寺の祭りで盛り上がっていましたが、今週はさらに近い寺、いつも子どもたちがタンブン(お布施)や掃除に行くナンプレー寺のお祭りとのこと。そのため近所中が盛り上がり、金曜、そして土曜と、毎夜大音量のカラオケで深夜過ぎまで大騒ぎ。特に土曜の夜は2時過ぎまでカラオケが続いていました。「これもお祭りの週末、いたしかたの無いこと、、。」とあきらめていましたが何と昨夜、日曜の夜も夕方から大音響がいたるところで発せられているのでした。
家にいても、まるでドアをすべて解放したカラオケボックスの建物の中にいるような感覚。「この大音響の出元を調査しない手はない!!」と思い、隣の空き地(すでに"臨時「大」駐車場"と化している)をはさんだ家に行ってみると、、、道沿いの家はテーブルが「大宴会場」にセッティングされており、フルボリュームでカラオケがスピーカーから流れ、さらに奥の家に行ってみると、第2の宴会場が、、。しかもカラオケではなく、生バンドによる演奏が行なわれていました。どちらもお互いのことなど全く気にせず、歌い手は大声を張り上げています。「写真を撮りたい」と話すと、「まあ、飲んでいけば?」と返ってきましたがとてもついてゆけるとは思えません。
ホームに行ってみると、子どもたちは皆でナンプレー寺へ行くとのこと。「子どもたちはお祭りで何をしているのだろう?」と思い、後からバイクで寺に行ってみました。お寺に行く途中の道沿いの家々でも、カラオケの大宴会が開かれています。
お寺の横にある広場の入口でヌン、スー、シントーと会いましたが、皆、夜店で食べ物を買ったり、射的ゲームで遊んだりしています。
小さいこどもたちはレックさんと一緒にステージの前のゴザに座っているので「何が始まるんですが?」と聞くと、踊りのショーがあるとのこと。一緒に待ってみましたがショーはなかなか始まらず、子どもたちは退屈そうに地面を棒でつついたり、寝転んだり、、、。結局30分程経ってから、やっと踊り子のお姉さんたちが大音響とともに登場。と、同時に横からも別の音楽が大音響で聞こえるので見ると、80メートルほど離れたステージにも、踊り子登場!両方のステージから爆音が聞こえ、ここでも競うように音楽が響き渡っています。
子どもたちは2つのステージの間を行ったり来たりして、ショーを楽しんでいましたが、
「タイ人のみなさん、なぜ同時に大音量を出し合うのでしょう?」、、機会が有れば本当に質問したいと思います。
佐藤くみ|2011/02/07 (月)
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