写真日記
ガンニガ
先日ガンニガが家に泊まりに来ました。彼女の夕食の希望はハンバーガーとポテトサラダ。最初からケチャップをたくさんかけるの!と宣言していました。
一緒に買い物に行き、夕食の準備はもちろんガンニガも手伝う約束。プチトマトを細かく切って自分のお皿に飾り付け。レタスを洗い、きゅうりを切って、横でハンバーグを作っている私に、「それ何?」と疑わしそうに質問。どうもこねくりまわしているものがハンバーグになるのが信じられない目つきですが、形にして焼き始めるとやっと嬉しそうに焼けるのを眺めていました。
自分のお皿の飾り付けに満足し、あっという間に2個のハンバーガーをたいらげたガンニガ。すごい食欲です。最近食べすぎと運動不足で太り気味のガンニガは、さすがに二重あごとお腹の出具合が気になりだしたらしく、2杯、3杯とおかわりするのを今、1杯にすると言っていますが、美味しいとついついおかわりをしてしまうようです。
食器洗いは全部ガンニガがやってくれ、シャワーの後楽しみにしていたのは、テレビドラマ。主人公や悪役の女性、その後この人たちがどうなるのかなど、名前から人間関係、結末まで詳しく知っているのです。分かっていたらつまらないでしょ?と思うのですが・・・。22時に飲む薬があるのでそれまでは起きていて、私に何度も解説してくれながらドラマに見入っていました。なんともつまらないドラマなので私の方が起きているのに必死でした。
翌朝は薬の時間が6時なので5時半起き。しかしなかなか起きません!!!保母さんたちが言っていることが良く分かりました。やっと起きたと思ったら「朝ごはんはまたパンが食べたい」と言うので、ウィンナーと目玉焼きと食パン(3枚)。目玉焼きは、ものすごく上から卵を落とすので一個目は失敗。でも2回目は卵の殻がパラパラ割れて入るくらいゆっくり割ったので成功。それはもちろん自分のお皿に行きました。
小さい頃から、ちょっと変わったところのあったガンニガ。それも彼女の一つの個性と思っていたのですが、成長に伴って軽度の知的障害であることが分かりました。でも読み書きは年相応とは言えませんがある程度出来ますし、テレビドラマの顛末も雑誌を自分で読んで理解しています。ただ一人で生活してゆくことは難しい・・・。
ここタイでは、軽度、重度問わず、障害者が社会と繋がりをもつ機会がまだまだ少なく、また心のケアに関する様々なシステムはとても遅れています。
孤児であり、HIV POSITIVEであり、そしてちょっと障害を抱えているガンニガ。久しぶりにガンニガとじっくり向き合って過ごし、彼女がどうやったら幸せに生きてゆけるのかを思う日々が続いています。
買い物に出かけている時に車の中で、「私はお母さんのお腹から出てきて、体を拭いてもらい、泣いたことを覚えているの。でもお母さんの顔は見えなかったから覚えていない」とガンニガが言いました。彼女は本当にその時のことを覚えているのかもしれません。
『イベントのお知らせ』
今日19日から秋田小松クラフトスペースでバーンロムサイ展が開催!楽しい企画が盛り沢山のイベントです。お近くの方、是非足をお運びください。
そして長野市「ガレリア表参道」も開催中!22日までです。
ちょっと涼しくなった海辺で過ごす晩夏の夜は、葉山の海の家「Blue Moon」へ!
詳しくは、→ https://www.banromsai.jphttps://www.banromsai.jp/information/をご覧ください。
麻生 賀津子|2011/08/19 (金)
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