今日は、ミルクの20歳の誕生日です。

9年前の9月19日、彼女は日和見感染症の一つ、結核を患いICUに居ました。2002年はミルクにとって試練の年。3ヶ月近くにおよぶICU棟での隔離生活、CD４（免疫力）の数値が０となり、その頃のスタッフの写真日記には「例えわずかな可能性でも、ミルクが大人まで生きられることを信じながら・・・」と書かれていました。

長い間学校へも行けず、我儘になることでしか自分の気持ちを発散できず、感情の起伏が激しかった半面、動物を可愛がり、妹たちの髪をいつも結ってあげていた優しいミルクが、今日こうして元気に20歳の誕生日を迎えたことは、今まで彼女と向き合って来た多くのボランティア、スタッフ、支援者の方々にとって、そして美和さんにとって、私たちにとって、本当に幸せなことです。

もう正真正銘の大人。具合が悪い時期が長かったので今は高校2年生ですが、ホームで最年長の自覚も出てきたなと感じる大人っぽい言動、そして相変わらず甘えん坊のところが可愛いミルク。そして彼女のことをすべて知った上で、今も仲の良い友だちがいることは、ミルクにとって何よりも大切な宝物なのだと思います。

今日は、子どもたちにお菓子を・・と言って頂いたご寄付で、特別にアイスクリームケーキを買って来ました。同じく6月に20歳になったピーダオも一緒に、皆でお祝いです。

HIV母子感染第一世代といわれる年長の子どもたちは、病気のことに関しても、そしてバーンロムサイの子どもたちの中でも、前例のない中、生きてゆかなくてはなりません。何かあればいつで手を差しのべる準備はしつつも、少し厳しく、彼らの自立を促してゆかなくてはならない時期に来ました。

これから18歳を超えた年長の子どもたちは、少しずつホームを離れ自分の力だけで歩いてゆくことになります。子どもたちのプライバシーの問題、進学や就職・・・、今までとは違った悩みを子どもも大人もさらに抱くことになると思います。

この先もまた、いろいろなことが起こるでしょう。でもこうしてみんな元気で生きているのだから、幸せになって欲しいな・・、と、古い写真を見ながら、そして今日のミルクの誕生日に、あらためて思ったのでした。

『イベントのお知らせ』

9月16日（金）より、神奈川県・たまプラーザの「センスオブライフ」にてバーンロムサイ展が開催されています。カレン族の伝統的な織物である腰織布のインテリア商品やバッグ、そしてさき織り布、山岳民族の古布を使った雑貨商品、秋らしい衣類などの展示販売をいたします。お近くにお住まいの皆様、お誘い合わせの上ご来場ください。

期間： 2011年9月16日（金）～9月29日（木）
場所： センスオブライフ　たまプラーザテラス店
〒225-8535　神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-1-2
たまプラーザテラス　ゲートプラザ１F
TEL： 045-905-0810
http://www.senseoflife.co.jp/