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写真日記


マイペンラーイ

バーンロムサイ開園前から、毎回短期間ですが、定期的に訪れているタイ。1週間や10日間来てはまた日本に戻り...と何度となく繰り返しているので、なかなか人々の感覚やタイでの常識・非常識などは分からずじまい。今回初めて9月末から11月末まで、比較的長期にわたる滞在中です。

先日縫製場のスタッフと共に市場で生地の買い出しや、パターン用の大判コピー屋さん、縫製前に生地の洗いをお願いする洗濯屋...等々に同行し、「マイペンラーイ」がただの"気にしない"ではないことを発見。

 
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「市内の縫製工場の犬たち」

ホームの縫製場で作業が重なった時、縫い方が簡単なものは外注する事がありますが、サンプル縫製の段階で「難しいからやりたくない」と断られてしまうのが通例...。前から聞いていた話ですが、まさか...と思いきや、今回はその場に遭遇。

長年かけてたどり着いたバーンロムサイの丁寧な縫製は、多くのタイ人に"めんどくさがられて"しまうようです。バーンロムサイ工房の縫子さんたちに感謝しつつ...そこをナントカ...!とサンプルだけでも上げてもらう約束を取り付け、上がりに期待。

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「厳しい目で上がりをチェックするQC担当のエッさん」

縫製屋さんで縫ってもらったキッズバッグ、2週間前に一度出来上ってきたのですが、内側の折り返しが逆。どちらでもいいんじゃない...?と、あまり細かい所にはこだわらない様子。ですが、ここはバーンロムサイのスタッフたち、心を鬼にして「やり直し!」。厳しいチェックの末、今回は大丈夫でしたので、直したものをピックアップ。


                         
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「元パターンを縫製場用にコピーする時はこちら」

大判コピーがあまりない中、いつもお世話になっているコピー屋さん。
以前カラーコピーが取れる所を探して一日中市内を走り回ったこともありました。
慣れているはずなのに、お姉さん「紙からはみ出すからパターンの端が入らなくてもいいわよね?」...いえいえ、その袖の折り返し、とっても大事...!!とスタッフも焦り...微笑ましいやり取りでしたが...お姉さん、考えを口にしてくれてよかった!


                                
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「がんばって色指定...」

市場で生地を入手する場合、染め上がった反物を買いますが、倉庫にない場合「前にここで買ったのと同じこの色が欲しい」と言うと、生地屋のおじさん、おやつを食べながら凝視しているメロドラマ?TVから目を外し、ボロボロのサンプル帳を開いてくれます。コットンの色見本なのですが、全然同じ色がない...。その旨おじさんに伝えると「うーん、この色で指定して染めてもらったんだけど、違う色に上がってくるんだよね~」と全く悪びれもせず。

バーンロムサイの服を買って下さっているみなさま...そんなこんな"マイペンラーイ"の中、現地のスタッフ、日本向けのもの作り、かなりがんばっています...!

タイでは怒りをあらわにする事が最も美しくない行為、とされているようです。
欧米に比べたら日本も衝突を嫌いますが、我慢の限界になるとビシーっと烈火の如く怒るイメージがありますが、タイでは、いかなる時も、怒って声を荒げたりしようものなら「心を静めてください」と諭されるとか。
マイペンライは「テキトー」ではなく「美しい心の持ち方」、美徳なのです。

十数年前タイで初めて待ち合わせをした時、3時間遅れて来た相手が「マイペンラーイ」と登場した時は「言うとしても、こっちの台詞じゃー!」と思ったけど、数年タイ先輩のドイツ人女性が「その日に来てくれただけいいわよ」と。うーん、まぁね。確かにね。

今年の12月で開園満12年、時々行き違いがありつつも、タイ人&日本人スタッフがお互いに歩み寄りながら、国際結婚のような?!バーンロムサイ。これからも色々あると思いますが、子どもたちだけではなく、スタッフ達のことも暖かく見守っていただけると嬉しいです。

名取 美穂|2011/10/23 (日)

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