4名の新しい子どもたち
今日、4名の新しい子どもたちがバーンロムサイにやってきました。一昨日知らされ今日来るという、いつも何かと突然ですが、もう驚かなくなりました。
午後2時、時間通りにヴィエンピン国立孤児院のスタッフに連れられて来た4名。
それぞれ親の事情により数週間前に国立孤児院に預けられたばかり、そしてまた今日から新しい場所に移ることに理由は分からずとも、いつもと同じくちょっと不安そうな顔の子どもたち。
まずは紹介します。
ダーオ 4歳
メー美穂とダーオ
どことなく、亡くなった双子の姉妹、アイちゃん、オイちゃんに似ています。丁度日本へ帰国する前日に新しい子どもたちの来園に立ち会えた名取美穂。ダーオは人見知りせず、早速メー美穂の膝にのり甘えていました。すでに保母のお手伝いもするし、しっかりした女の子。バーンロムサイ3人目のダーオです。
ノン 3歳7カ月
双子の弟たちのお兄さん。個人的な話しですが、知り合いの板前さんに似ていて、初めて会ったような気がしません。この子も人見知りせず、すぐに笑顔になりました。
双子の兄弟。2歳7か月
向かって右が兄のチョーク 左が弟のチャイ
ホクロのある方が兄のチョーク
まだ性格の違いは分からないけれど、二人とも人懐っこい性格です。
3人は保父のコムさんと同じモン族。どことなく頭の形などに共通点が見いだせるのはたまたまなのかどうか・・?!コムさんはモン語も教えるとちょっと張り切っていました。
コムさん、張り切っています!
ノンたち3人のお母さんは17歳という若さですでに亡くなっているそうです。山岳民族の人の早婚はそう珍しいことではなく、14歳や15歳で親になる人もいるとかつて聞きました。他のNGOでは、15歳前後で子どもを産み、何かの事情で夫も居ない女性とその子どもの自立をサポートしているところもあります。これもタイの一つの社会問題です。
新しい弟と早速遊ぶボン
最年少の地位は動かず。テンモー
今日入園した4名は、先に入って来たボンやゲンたちと同じようにHIV/AIDSとは関係のない子どもたちです。抗HIV療法が確立されたおかげでエイズを発症して亡くなる人が減ったこと、つまりエイズ孤児になる子どもが減っています。そしてもし母子感染して生まれて来ても母子ともに抗HIV剤を服用していれば共に生き、共に暮らせるという世の中になったのは本当に嬉しいことだと思います。
しかし国立孤児院の子どもたちの数は増え続けています。麻薬や貧困など多くの問題で犠牲になる子どもたちがたくさん居るのがこの国の現実です。
アーパイがまだ9歳。私たちは18歳を過ぎて外で暮らす子どもたちも含め、HIVに母子感染した孤児たちの自立をサポートしてゆかなければなりません。そしてHIVに感染してはいないけれど、親が居ない、あるいは一緒に暮らせない事情のある辛い状況に立たされた子どもたちが増え続けるこのタイ社会で、バーンロムサイの取り組みも社会状況の変化にあわせて、さらに臨機応変に対応してゆく必要があります。
縁あってバーンロムサイに来た子どもたちみんなが、ここを安心して暮らせる家だと思えるように、そして元気に成長し自立してゆくことをサポートする、それはバーンロムサイの大切な幹の部分であり、今までもそしてこれからもその幹の部分は何も変わらないということを、新しく入って来た4名の子どもたちを見てあらためて思っています。
今日からさらに賑やかなバーンロムサイになりました。
すぐに仲良し
メー美和とチョーク&チャイ
麻生 賀津子 | 2013/01/25(金)
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