地域の図書館プロジェクト
2007年7月1日、ホームの敷地内にオープンした「バーンロムサイ・ライブラリー」。
時おり写真日記で紹介される図書館は、クレディ・スイスからのご寄付により、
ナンプレー村とホームの子どもたちのためにオープンした2階建てのライブラリーです。
タイ語&日本語本を蔵書しており、セミナー+パソコンルームも併設しています。
当初の目的は:・正しい知識によりHIV感染者への差別や偏見をなくすこと
・貧しい農村地帯の子どもたちへの学習の機会を作ること でした。
1999年の開園当初は、地域の住民や学校などから敬遠され、孤立した存在のバーンロムサイでしたが、
図書館にある魅力的な絵本やDVD、パソコンなどに引きつけられ、今では地域の子どもたちとの交流も盛ん…
なのですが、本を読む習慣の無いタイの子どもたちに「読書」は馴染みがなく、「図書館」としての利用者は
なかなか増えませんでした。2009年、図書館の開設当初から「図書館」を担当しているベンさん
(現地財団のタイ人スタッフ)の提案で「図書館プロジェクト」と命名され、
2つのコンテストが始まりました:
1)「もっと本を読もう」読書感想文コンテスト
2)「自分の国(タイ)の大切な日を知ろう」作文コンテスト
2009年のスタート以来…この“マイペンライ”の国で、毎月(!)必ず(!)図書館内のセミナールームで
「コンテストの表彰式」を開催しているのです!なかなか現地プロジェクトを日本の皆様に知っていただく
機会がないので「表彰式」の様子をご紹介したいと思います。
発表前。カラフルなケースにノートや鉛筆、消しゴムなどの文房具がセットされています。
その隣りには賞状も。村の小学校の子どもたちとバーンロムサイの子どもたち、みんな自由参加です。
なかなかホームの子どもたちを送り迎えするバスが戻って来ず…30分ほど待ってやっとスタート。
みんなソワソワしています。
ピンクの制服が村の小学校の子どもたち、
水色の制服がバーンロムサイの子どもたち。
現地の「タンブン」や、
タイの子どもたちのために、と寄付していただいた物資を村の子たちにもおすそ分け。
今回は文房具の他に、近くのレストランのオーナーさんが沢山のお米を寄付してくださったので
ホームで使いきれない残りを子どもたちにもプレゼント。以前…いただいた最後の残りをカビさせてしまい…
スタッフ全員深く反省、このような企画になりました。お米の中を歩いている虫はご愛嬌。
みんな全く気にしません。
ナンプレー村の小学校にも隣国ミャンマーからの難民の子どもたちも多く「お父さんもお母さんも働きに
行っているので小学生の弟と2人で生活しているの」という女の子もいます。
ベンさん、自慢げに彼女のノートを見せてくれました「一番きれいな字を書くんだよ」と。
この図書館、そして地域の子どもたちに対する継続的な支援を支えて下さっているSATA Foundation、
MRAハウスの方々、図書費や文房具、pc、プリンター(賞状を自分たちでプリント出来るようになったんだ、
と嬉しそう)を寄付して下さったみなさま、本当にありがとうございます!
表彰台の右が図書館を担当している
タイ人スタッフベンさん。
みんな嬉しそう!お兄ちゃんとバイクに乗って
遠くから通学している子もいます。
図書館の入り口には歴代の受賞者の写真が貼られた額が飾られています。
読んでみたい本をリクエストできる
「リクエスト・ボックス」。満杯です。
約1時間の「表彰式」が終わり、みんな庭先で待っていた親御さんやお兄さん、お姉さんに連れ添われて帰って
行きました。送り迎えをしてくれる人がいない時は、スタッフや保父さんが送ってあげることも。
興奮気味のベンさん、色々説明が止まりません:これ以外にも塗り絵コンテストなどもあるらしく、
優秀な作品は売れるくらいだよ!と。長年見ている子どもたちが可愛くてしょうがない様子。
子どもたちが楽しみにしている「図書館くじ引き」は:
貸し出しカードが一杯になったら1回くじ引きが出来るので、数字が書かれたピンポン玉を一つ選ぶと…
棚の中の賞品が当たる、という嬉しい工夫もしています。
そのうち…「タイの大切な日」の作品を1冊の本にまとめて、日本でタイの文化を知ってもらう事に
役立てたり、タイの日本関連施設に置いていただくことで双方の理解と交流を深める事に役立てたいね、と
現地スタッフと話していました。本にするとなると、クオリティーも大事。まずは冊子にしてみましょう。
ベンさん、子どもたちの作品ちゃんとまとめておいてくださいね!
名取美穂 | 2015/03/01(日)
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