これまでの活動の成果
抗HIV療法により、成長してゆくことが可能となった子どもたち
2002年に抗HIV療法を始めてから、子どもたちはそれまでの過酷な病状から回復し、命を落とす不安から解放され、全員が元気に成長しています。彼らは将来への希望や夢を描けるようになり、卒園した子どもたちは就職、進学など、それぞれの進路を歩み始めています。
近隣住民や子どもたちとの交流を通じてなくなりつつある、HIV/AIDSへの差別・偏見。
開設から数年の間は、「HIVに感染している」という理由から地域の住民の反対を受け、小学校への通学を拒否され退学を余儀なくされたり、村の子どもたちに対してホームに近寄ることを禁止されたりするなど、多くの差別や偏見がありましたが、バーンロムサイのスタッフの地道な努力により、状況が改善されてきています。
村の人々をホームの会議室に招き、HIV/AIDSの正しい知識について講習会を開催したり、HIV陽性と判明した村人に生活指導を行ったり、寄付でいただいた図書館を開放するなど、長い時間を経てようやく理解を得られるようになってきました。現在では、かつて交流すら持てなかった地域の子どもたちがホームに来て、一緒に勉強をしたり遊んだりするようになりました。特に2010年以降、スポーツやキャンプ、図書館、防災訓練などの継続した活動(公共プロジェクト)を通して、村の子どもたちと交流を深め、村で差別、偏見を感じることはなくなりました。
地域のリーダーとしての役割を担うようになったバーンロムサイ
村の人々との交流を深め、また貧困の中、不安定な生活を送る村の子どもたちと楽しみや食事を分け合うことは、村の子どもたち、バーンロムサイの子どもたち双方の精神的な支えとなっています。 公共プロジェクトのひとつとしてバーンロムサイの子どもたちと村の子どもたちが協力して村の清掃活動を行っていますが、そこにはコミュニティの一員としての責任を果たすという意味も込めています。学校で行うことのない防災訓練は地域の子どもたちの保護者や村役場からも期待される活動となっています。このようにバーンロムサイでは地域の環境問題や子どもたちの安全に関する活動を通して、地域のリーダーとしての役割をも担うようになってきました。
働き始めた子どもたち
2013年より、バーンロムサイの卒園生が resort hoshihana で働き始めました。
バーンロムサイで就労経験を積み、新たに自分で就職先を探して外で働く子どももいます。2020年1月現在、resort hoshihana で4名の卒園生が働いています。自立した運営を目指す事業所で子どもたちが働けるようになったことは、これまでの活動の大きな成果と嬉しく思っています。