やわらかな時間
暖かい日差しが注ぐ3月13日、4年間バーンロムサイで手仕事をしてくれていたモン族のジェーンちゃんが結婚しました。
結婚の日程が決まったのは10日程前。
本当は4月までバーンロムサイで働いてくれる予定でしたが、お母さんより
“3月の10日前後に結婚式をするからすぐに戻ってきなさい。”
と連絡があったようでその連絡があった翌日にはバーンロムサイを離れ、村に帰る事になったのです。
手仕事もあ・うんの呼吸で色々な事をこなしてくれ、バーンロムサイの手仕事には欠かせない存在になっていただけにいなくなってまだ日は浅いですが凄く寂しいです。
タイ人スタッフとも仲がよく、特にキットさんやラダーさんは妹のように可愛がっていました。
私も大好きだったジェーンちゃん、いなくなってしまったのは寂しいですが、幸せにはなってほしい。。。とても複雑な心境です。
そんな思いを秘めて今日はバーンロムサイ縫製場チームと共に結婚式に参加する為ドイステープの更に奥にあるジェーンちゃんの村に行ってきました。
出発したのは朝の7時半、行く途中少し時間があったのでドイプイの林の中を少しだけ散策しました。
乾期の今、排気がこもり山の上からの眺めはいまいちでしたが、とても気持ちのよいひととき。
木に囲まれて気持ちがいい~!
カモフラージュの木肌を持った木に遭遇
その後車を走らせ30分程でジェーンちゃんの村に到着。
村での結婚式はどんな感じなんだろう?と思い村に入ると、特に変わった様子はなく日常的な光景が広がっていました。
式はこっちであるからと同じモン族出身でバーンロムサイで働くダオちゃんの先導で、小さな石階段を下りて会場へと向かいました。
そこにあったのは小さな教会。
タイの山岳民族はその昔、山に宣教師が入り布教活動をした歴史があるため、キリスト教信者が多くいます。
ジェーンちゃんの村もそんなキリスト教を信仰する人たちが住む村なのです。
結婚式に出席したのは親族と親しい友人、そして私たち。
ちょうどネパールから来ていたソナムさんも一緒に参加したので式には、モン族、カレン族、タイ人、ネパール人、そして日本人と多種多様な人種が勢揃いする形になりました。
こんなに沢山の民族が勢揃いする式は、おそらくこの村ではとても珍しい事ではないかと思います。
ダオちゃん、インちゃん、ジェーンちゃんの妹とヌンちゃん
縫製場チームとソナムさんたち
みんなに見守られ幸せいっぱいのジェーンちゃん。
旦那さんとツーショットをパシャリ
婚礼衣装をズームアップでパシャリ
両親にひざまずいて感謝の気持ちを伝えています
両親とともに幸せな顔をパシャリ
ジェーンちゃんのヘアメイクを担当したのは元美容師のムーさん。ムーさんも今月末結婚するということでハートをかたどってハイポーズ!
式はアットホームな雰囲気に包まれてわずか30分ほどで終了、その後教会を後にしてジェーンちゃんの家で行われた食事会にも参加してきました。
式に出席したひともそうでない人も、お祝ということでどんどん集まって来ました。
先ほどまで主役だったジェーンちゃん、衣装も着替えずもてなす側に回り大忙し。
主役なのに、、、と思うのですが結婚は日常の延長線上にあるもの、きっとそれがモン族のスタイルなんだろうと思います。
カノムチンを取り分ける係担当のインちゃん
美味しそうにカノムチンを食べる村の人たち
ジェーンちゃんは結婚式の衣装を着たまま大忙しで動き回っていました。
ふるまわれた食事は、日常でモン族が食べている食事、調味料はほとんど使わず、薄味で優しい味付けでした。
その後ジェーンちゃんが着替えたモン族の衣装は、旦那さんのお母さんから貰ったものなのだそう、いつかお母さんになったらこの衣装を自分の子どもに引き継いでいくのでしょうか。
終始あたたかく優しい時間が流れるジェーンちゃんの家を後にして、帰る前に村を少しだけ散策、色とりどりの木々を眺めながら歩き穏やかに流れる村の空気を堪能してバーンロムサイへと帰りました。
日本では鉢植えでおなじみのポインセチアも巨木です
桜のような花が咲いていました
子犬がこちらを覗いています。
そして、ちょうどこの日はネパールから物つくりの研修で来ていたソナムさんも最終日でした。
標高4000mの場所に住む彼女とすごした2週間強の日々は、彼女にとっても新しい発見の日々だったと思います。
そして私も、彼女から学んだことが沢山ありました。
人を思いやる気持ちや、つつましくシンプルに生きるということ、そしていつでも笑って過ごせる自分でいること。
彼女がいた日々は縫製場にも国境や年齢を超えてやわらかく優しい時間が流れていたように思います。
その他にもたくさん気づかせてくれたことがありました。
いつか彼女に会いにネパールへ行きたい!と思っています。
ソナムさんと同行でいらっしゃっていた宮山さんと空港にて
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★お知らせ その①
鹿児島/鹿児島市 White Galleryにて「チェンマイからの布便り〜バーンロムサイ展」を開催いたします。
3月16日(土)より28日(木)まで、鹿児島県鹿児島市にある「White Gallery」にてバーンロムサイ展を開催いたします。
毎年企画展を行ってくださるWhite Gallery、今年はやさしいガーゼやちぢみガーゼを使ったトップスなどの衣類、定番のさき織りや古布バッグ、可愛らしい古布アップリケをあしらった雑貨アイテムの展示販売をいたします。
眺めの良い場所にあるスタイリッシュなWhite Gallery。オープンスペースのカフェも有ります。美味しく身体にやさしい日替わりランチセットは1日限定20食、自家製のケーキやアイスクリームも…。お食事やお茶も兼ねて、ぜひWhite Galleryへ足をお運びください。
■鹿児島 White Gallery 「チェンマイからの布便り~バーンロムサイ展」
期間:3月16日(土)~3月28日(木)
時間:11:00 - 18:00(ランチタイム11:30 - 14:00)
定休日:月曜
場所:〒892-0852 鹿児島市下竜尾町25-7
TEL:099-248-3904
Website:
http://www.white-gallery.com/
★お知らせ その②
3月9日(土)より24日(日)まで、神奈川県葉山にあるナチュラル&オーガニックのお店「lepas manis(レパスマニス)」にてバーンロムサイ展が開催されます。
ちぢみガーゼのトップスやマフラー、古布のアップリケがポイントのiphoneケースやポーチをはじめ天然素材を活かしたアイテム、ナチュラルな色目のさき織りバッグなどをご用意しております。
lepas manisは葉山御用邸のそばにあるかわいいショップ、自然素材やハンドメイドの優れたアイテムを扱っていらっしゃいます。葉山の春の海のお散歩がてら、ぜひお立ち寄りください。(※交通については下記lepas manisのホームページをご覧ください)
■神奈川 葉山 lepas manis(レパスマニス) 「バーンロムサイ展」
期間:3月9日(土)~3月24日(日)
時間:木曜 9:00 〜 16:00 金曜 13:00 〜 20:00
土・日曜・祝日 11:00 〜18:00
定休日:月曜~水曜
場所:〒240-0116 神奈川県 三浦郡葉山町下山口1742
TEL:046-874-6644
Website:
http://lepas-manis.com/★お知らせ その③
東京/代官山 boy Atticでの「バーンロムサイ ハンドメイド・ファッションショー写真展」+展示販売会のお知らせ
3月13日(水)から3月27日(水)まで、東京・代官山にあるヘアサロン「boy Attic(ボーイ・アティック)」にて、昨年秋にチェンマイのホームで開催された「子どもたちのハンドメイド・ファッションショーの写真展」と、チェンマイの工房で作られたヘアアクセサリーやアクセサリー、タイパンツなど衣類の定番アイテムの展示販売を行っています。
「ハンドメイド・ファッションショー」は、バンコクにある「boy/Rikyu」の方達の協力のもと行われたワークショップ。子どもたちが身を整え、装飾する仕事と接し、またチームワークでひとつの目標を達成することを学ぶ大変貴重な機会となりました。
http://www.banromsai.jp/photo_diary/?page_id=10195皆様ぜひお誘い合わせの上、お越しください。
上村亜紀 | 2013/03/13(水)
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