「今日もいい日だね」

僕が初めてバンロムサイを訪れてから8年が経った。
ホームの紹介映像をつくりに、凡そ年に1度位の頻度で訪れている。

その月日の中で子ども達は日々、大きく元気に成長していることを実感する。
昨年に至っては年長の子どもに腕相撲で腕をへし折られ、チェンマイの病院に担ぎ込まれる事態に陥った。
身長もパワーも、父ちゃんを追い越して行く嬉しさに、哀愁を交えて撮影を続けている。

ここバーンロムサイの映像制作を通して学んだことは数知れず、
ぼくの心を常に豊かに、進むべき道を指南してくれる。
8年前に初めて仕上げた1本の映像が、
世界に点在する課題のひとつを解決する力添えになれたことを知った時、
ものつくりに対する価値観が変わった。自分にも出来ることがあると教えて頂いた。

無理なく、自分のペースを軸に、やるべきことを行い、心地よく生を全うすること。
命溢れるこのホームにおいて、私という存在は、
この星の生態系の中のひとつの生物であるに過ぎないことをいつも実感させてくれる。

「今日もいい日だね」というセンテンスを暮らしの中で言えることは、
本当に美しいことだ。