夏のおわりと秋のはじまり
ふと吹く風に、夜の涼しさに、秋の気配を感じる今日この頃。夏のおしまいを感じるこの季節は少し寂しいです。みなさま今年の夏はどんな夏を過ごしされましたか?
私は今年は盆踊りに明け暮れていました。海帰りの若者に「クラブに行くなら盆踊り行こうよ!」と声をかけたくなってしまうほど(海のそばに住んでいるので・・・)、盆踊りをいろんな人におすすめしています。
ここ数年、毎年欠かさず通っているのが鎌倉の隣の隣、葉山町の「森戸の浜の盆踊り」。
2006年に11年ぶりに市民の手で復活させた盆踊り。砂浜にやぐらが組まれ、地元のミュージシャンで結成した盆楽団が音楽を奏で、子どもたちが絵を描いたちょうちんが飾られる、手作り感あふれる盆踊りです。メインの踊りも「葉山音頭」と、葉山愛が詰まっています。
初めて行った時、「あ~こんなに誰もが笑顔で平和な場所ってないな」と感動して写真を撮っていたのですが、現像した写真にはお花畑のように火の玉。そうかー、ご先祖様たちも楽しんでくれていたんだなぁ。だから、あんなに素晴らしい空間と時間だったんだ、と妙に納得しました。
先祖供養の盆踊り。亡くなった人の思い出を胸に今ここを共に生きる人たちと無心に踊っていると、普段感じることのないつながりを、感じることができます。過去と現在とのつながり、隣で踊る見知らぬ人とのつながり、たぶん一緒に踊っているのだろうご先祖様とのつながり・・・。ただただ踊るというのは、現代のトランスパーティにもつながる(だから現代の若者も盆踊りしたらいいのに!と思うのです)、心をからっぽにしていく行為。からっぽになった心に入ってくるものが盆踊りの場合、心地いい「つながり」なのです。過去から未来に至る現在の、ほんのちっぽけな存在である私。けれど私は時間の大きな流れのなかで生かされている唯一無二の存在。過去から未来に受け継ぐほんのひと時を担っている、けれど唯一無二のひとり一人が輪になって踊る、それが盆踊りの醍醐味なのだと感じています。
さて、ところかわって北鎌倉は円覚寺。
1785年(天明5年)に再建された神奈川県重要文化財の山門に提灯が灯され、それはそれは美しい会場。こちらも市民手作りの盆踊り大会です。盆踊りのレパートリーも豊富!お馴染みの東京音頭や炭坑節に加えて、円覚寺にぴったりの「心は360度」、円覚寺でずっと踊り継がれてきた「鎌倉盆踊り歌」、そして福島の相馬に縁のある先生ならではの「相馬盆唄」などなど8曲もあるのです。
なかでも本当に美しいと思うのは「相馬盆唄」。豊穣を祈る踊りはしかし、原発事故を経験した相馬で今は踊られているのだろうか。生活の糧と、それにまつわる民俗文化を育んできた地域が3.11の後一変してしまった。何より大切なものを失ってしまったのだ・・・と悲しい思いが募ります。けれど一方、無心に踊るほど心が豊かなもので満たされてくる、そんな、美しい踊りです。
さてさて、今日の鎌倉は久しぶりの雨で急に涼しくなりました。
そろそろ長袖が恋しい季節・・・
ボタンブラウスシングルガーゼ ¥6,825
ステッチングカフタン ¥9,870
バーンロムサイ定番のボタンブラウスにシックな黒が登場しています。貝ボタンの並ぶブラウスは上品で華やか。少し短めの丈がバランス良く着られます。涼しいリネンのトゥッケイタイスカートを合わせて残暑に対応しつつ秋らしい落ち着いた雰囲気に。
白いステッチングカフタンは、オンラインショップ掲載のカフタン(
http://www.banromsai-shop.com/?pid=61052955)より袖丈も身丈も長くて生地もしっかり厚地。なんとなく芸術の秋に身を浸したくなる雰囲気です。バーンロムサイのパンツとどれも好相性。合わせているのはチェックのサルエルパンツです。
古布財布も、落ち着いたスザンニ刺繍のものがしっくりくる季節になりますね。
六地蔵も、夏の終わりの花さるすべりが満開です。
宇治牧子 | 2013/08/25(日)
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