朝ふと鏡をみると
「ポー功一!猫が木から降りられないから助けて!」
パヌとペットが呼びにきました。食堂の横に見に行くと、見慣れない子猫が木の上に、登ることも出来ず、降りることも出来ず怖がっていました。
「大きな毛布持ってきて!」とパヌに伝えると、ビーとベンも手伝いに来て、みんなで毛布を広げて木の下で構えました。
「犬を怖がって、逃げているうちに木に登ったんだ」パヌが得意げに状況説明し、木を揺らしたり、長い棒でつついてみたり、子猫はなかなか降りてきません。
「喉がかわいているはずだから、水と餌を下におこうか?」とビーが話しているところ、タンが加勢に来ました。木を勢い良く登ろうとした瞬間、子猫はジャンプ!用意した毛布は役に立ちませんでしたが、ケガもなく、無事ホームを去って行きました。
初めてこの場所を訪れたのが、2004年の8月、この12年の間に、大切なことを学びました。
なんとも不摂生な生活をしていた12年前、たまたま当時のニュース23を見て、バーンロムサイのことを知りました。その特集は、子ども達のことではなく、当時のボランティアスタッフのことをテーマにしており、そのインタビューのコメントが印象的で、ここへ来るきっかけとなりました。
「ここへ来て1年が経つのですが、朝ふと鏡をみると、いい顔になったなぁ、と思うんです」
鏡を見て、自分の顔がいい顔になったと感じるってどういうことだろう?
どういう場所だろう?すぐホームページを調べ、美和さんのお話会に参加し、
「映像とホームページがつくれるので、是非ボランティアさせてください!」
とお願いしました。あっと言う間にこの場所が大好きになり、ついに2年前に移住しました。
この場所で働いていると、素敵な方々に多く出会います。見学に訪れてくださる方、開園時からの支援者の方、ゲストハウスの宿泊者の方、一緒の働くスタッフの方々。
バーンロムサイの子ども達を中心に、優しさの輪が広がっているような、心地の良い時間が流れています。
ふと自分の顔を見ると、「いい顔になったかな?」でも今の自分の方が12年前の自分より好きだなと思いました。12年前にちょっとしたことがきっかけで、決断し、行動に移したことは、私自身の人生の大きなターニングポイントになりました。
そして今は、ここで出会った素敵な方々、バーンロムサイの子ども達に感謝して、ひとつひとつの行動を大切にして生きていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします
谷岡功一 | 2015/01/25(日)
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