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鎌倉だより~めぐり めぐりて~

3年というのはひとつの節目といわれています。

2012年6月にバーンロムサイ鎌倉店で働き始めてから3年が経ちます。
はじめて写真日記を書いたのが2012年9月19日。
ちょうど3年後に写真日記の当番がまわってくるとは奇遇です。

2011年の東日本大震災後、「いつかは住んでいる町で働こう」と思っていたそのタイミングがやってきたと思いました。
震災当時、知的障がいのある方たちと仕事をしていた横浜の病院ではたくさんの方が帰宅困難になりました。当然、障がいのある同僚も私も。予定と違うことが起きるのが苦手な自閉症の方があの状況によく耐えていました。
しかし、そもそも電車で通勤することって当たり前なのだろうか。働くことと暮らすことはもっと近くていいのではないか。交通はおろか、働くその場所が液状化の恐れがあるような弱いインフラは町としてまっとうなのだろうか。
いろいろなことを考えながら、翌年、住んでいる鎌倉市内で仕事をすることに決めました。

そして、鎌倉山の知的障がい者施設「工房ひしめき」(現在、バーンロムサイのネコクッションの綿詰めをしてくれている施設です)で仕事をしながら、大好きだったバーンロムサイでも働くことになりました。
2012年5月に葉山の「までいなマーケット」というオーガニックマーケットの運営を手伝っていた私は、出店していたバーンロムサイ製品を「素敵だなぁ」と眺めていたのですが、まさか自分が販売をする立場になろうとは・・・。バーンロムサイの面接を受けたのはその直後だったと思います。

働き始めてますます、バーンロムサイのものづくりのポリシーの素晴らしさを感じるようになりました。
「寄付に頼らず運営資金を自分たちで稼ぐ」
「18歳で孤児院を出なければいけない子どもの、将来の職業の選択肢にもなるように」
「普通の家庭では、大人の役割は子どもの世話をするだけじゃない。稼ぐ大人の姿を子どもに見てほしい」

これまで携わってきた、知的障がいの方の支援の現場にも当てはまることです。
「福祉だから」と甘えずにきちんと売れるものをつくることは、既に先進的な施設では取り組んでいることです。
きちんとしたものづくりをしている施設は、障がいを学んできた人より、そのものづくりの専門家が支援員として働いているケースも多いものです。障がいという問題にスポットを当てるより、いかに生き生き働く場を作るかが今後の福祉施設では重要になってくると感じています。

さて、「までいなマーケット」の前日、葉山ではもうひとつのビッグイベントがありました。
「語る+聴く しょうぶ学園」。鹿児島の障がい者支援施設「しょうぶ学園」を紹介するイベントです。施設長のトーク、利用者さんと職員のパーカッショングルーブ「otto&orabu」のライブ、そして「工房しょうぶ」の作品展示。この時買ったnui projectのバッグは私の一張羅です。
縁あって、総勢30人以上で鹿児島からやってくるしょうぶ学園の皆様の昼食を用意することになり、はじめて「しょうぶ学園」の存在を知りました。利用者さんのつくる作品の独創性、クオリティの高さに圧倒され、施設長・福森さんのお話とライブでは、生きること・表現することの自由さと深さに魅せられました。

その時から3年。今月、念願かなってしょうぶ学園を訪問することができました。緑あふれる敷地に素敵な建物が点在しています。しょうぶ学園の製品が買えるショップやギャラリー、利用者さんが働く美味しいレストランやお蕎麦屋さん・・・この心地よさ、なんだか、ホシハナビレッジに似ています。

施設長の福森さんにお話を伺った時に印象的だったことば「幸せそうな顔してるんだからそのままでいい。何かできるようにしようっていうのは、こっちの基準に当てはめようとしてるんだよね。ここは職員の成長のためにあるんじゃないかと思うよ」

しょうぶ学園の利用者さんがいい顔をしているのは、「そのままでいい」という、存在をそのまま認めてもらえる安心感からくるのでしょうか。

利用者さんは表現をしたいからするだけ。それはそのままでいい。それを販売して利用者さんに還元しようとするのは健常者と呼ばれる人の都合。利用者さんの表現に少し手を入れて製品にすることもある。それは、「そのままでいい」と認めたうえでの、役割分担であり共同作業でもある。今目の前にいる人にいる人に「そのままでいい」と心から思えるように、なりたいものです。

刺繍枠の中なら自由に表現できる、という方も。

淡路島に行ってから橋に夢中な方の陶芸作品。

実は、葉山にしょうぶ学園を招いたのはクロマニョンの皆さま。クロマニョンはバーンロムサイとコラボでカンボジアの手織り万能布・クロマーをつくってくれています。大判で使い勝手のいいクロマーは、今回の旅でも大活躍。寒い時は羽織ったり、日除けにかぶったり、ちょっと手をふいたり、昼寝のおともにしたり。

クロマー(ブルー) ¥14,904-(税込)

クロマー(ピンク) ¥14,904-(税込)

ちなみに、旅でも日常でも愛用しているのはさき織りポーチ。
バッグの中で使いやすい大きさがちょうどよく、さき織りならではの配色がウキウキさせてくれます。

お気に入りの私物です☆

さき織りポーチ ¥4,860-(税込)

バーンロムサイ、クロマニョン、しょうぶ学園。鎌倉と葉山と鹿児島。
哲学をもってものづくりをしている素敵な人たち、そんな人たちが集う魅力あふれるまち。
3年間の、たくさんのいい出会いに感謝の尽きない鹿児島の旅でした。

めぐりめぐって帰ってきた鎌倉は、懐かしくも新鮮な魅力。
3年前と同じ萩の季節、鎌倉店で皆さまのお越しをお待ちしています。

宇治牧子 | 2015/09/15(火)

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