縫製場の新しいひと、もの、そして取り組み
チェンマイは新しい季節、雨季に入りました。
雨が少し降るだけでも、こんなに涼しくなるのか!と驚いています。
大地にとっても、私たちにとっても恵みの雨。
気温40度越えを経験したからだには、30度でも過ごしやすいと感じてしまいます。
まだ気温40度前後の日々が続いていた頃、4月のソンクラーン明けに、
自分の村に帰っていた裁断チームのプーちゃんが、親戚のガンちゃんを連れて縫製場に戻ってきました。
彼女、どうやらバーンロムサイで働きたい様子。
19歳のガンちゃんは、
プーちゃんをはじめ、ジャンちゃんやティップちゃんと同じカレン族です。
お父さん、お母さん、妹の4人家族。
以前は、看護師助手として働いていたそう。
いろんな経験を積みたいとのことで、バーンロムサイにやってきました。
山岳民族の子たちといえば、
手先が器用で、刺繍やステッチ、ビーズ付け、タッセル付けなどなど、
細かな作業を一手に引き受ける手仕事チームが基本。
ガンちゃんも、必然的に手仕事チームへ。
技術的にはまだまだなので、ジャンちゃんやティップちゃんに教わりながら、
ビーズ付け、タッセルづくり、タッセル付けから始めています。
デザイナーともこさんの説明を聞いて、さささっと作っていく先輩のジャンちゃん、ティップちゃん。
ガンちゃんは、ゆっくりひとつひとつ確認しながら作っていきます。
ガンちゃんが縫製場に来てから1ヶ月がたち、大きく変わったのは、
山の子たちの楽しそうな笑い声が縫製場に響くようになったこと。
どちらかというと、控えめで、黙々と仕事をするメンバーが多かった手仕事チーム。
ガンちゃんは、早くもチームのムードメーカーになっているようです。
新しいことといえば、今年に入って商品についている下げ札が新しくなりました。
手漉き紙に、「banromsai」のロゴが入った下げ札。
どうやって作っているのか気になって、作っている様子を見せてもらってきました。
バーンロムサイから5分ほどのご近所にある小さな工場。
見に行った日は、下げ札の大きさに裁断した手漉き紙に、banromsaiのロゴをプリントする作業をしていました。
下げ札のサイズにカットされた手漉き紙。ロゴがプリントされるのを待っています。
木枠のスクリーンに、ロゴがたくさん!
たくさんのロゴの中からこの日のプリントに使うのは、ひとつだけ。ほかは、ビニールテープで塞いでしまいます。
グレイ色のインクを準備したら、3人で作業開始!
下げ札の紙を、印にあわせて定位置にセットし、
インクを流し込み、
インクを刷り込んで、
完成!
世間話をしたり、カメラを向けられてはにかんだり、
私が、わー!とか、おおー!とか、驚いたり、感嘆の声をあげるたびに笑ったり、終始なごやかな雰囲気。
息のあったチームワークで、1枚1枚丁寧に、手際よく、1枚5秒ぐらいのペースでプリントしていました。
もうひとつ、これからの新しいこと。
この春夏の藍染の服たち。
カレン族の普通の家庭で、一枚一枚手染めした藍染の服。
その藍染の商品の隣に、今度は草木染の商品を並べたいなと考えています。
草木染めをやってもらえる村を探し、
バーンロムサイから車で1時間半ほどのところにある、あるカレン族の村にいきつきました。
村の様子を少しだけ、紹介します。
家の軒先で、腰織りをしている女性をぽつぽつと見かけました。
こちらでも腰織り。
こちらは大きな機織り機を使って。
機織り機で織っていたのと同じ柄の布を巻いた女性に遭遇。この村の柄なのでしょうか。
村の手仕事を後世に残していきたいと活動を始めて
20年以上になるトゥイさんとトゥイさんのお母さん。
山岳民族の人たちの手仕事を残すお手伝いをさせていただく新たな取り組み。
どんな商品ができあがるか、楽しみに待っていてくださいね。
湯浅京子 | 2016/05/25(水)
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