大切な時間と、大切な生地

アジアが好きで何度も旅をする中で、
アジアの国の人たちは、良くも悪くも時間にルーズ、そんな印象を持っていた私。
チェンマイに来ることになり、
自分もあまり時間にきっちりできる方ではないので、少しほっとしていたのですが、
縫製場で日々を過ごしていると、タイ人って時間にきっちりしている！と驚きます。

10:00　おやつの時間
12:00　お昼ごはんの時間
15:00　おやつの時間

もう気づいた方もいるかもしれません。
そうです、すべて食に関する時間です（笑）

あいさつ代わりに「ごはん食べた？」と聞くと言われるほど
タイ人にとって、食はとっても大事なこと。

12:00になると、
パチパチと電気を消すスイッチの音、扇風機を止める音、
そしてカチャカチャと食器を手にする音が縫製場内に響き、皆いっせいに食堂へ向かいます。

日本人はきりがいいところまで仕事を終わらせてから席を立つ方が多いと思いますが、
縫製場スタッフ全員が、きりがいいとか、よくないとか関係なく、
時間に合わせて仕事を中断していきます。
12:00になって、仕事のきりがよくない私が、ひとり縫製場に取り残されることもめずらしくありません。

また、ある日の10:00。
10:00になったことにさえ気づいていない私がパソコンに向かってキーボードをたたいていると、
「Happy birthday to you～！」と誕生日の歌と手拍子が！

あわてて歌声の聞こえる方へ行ってみると、
裁断チームのプーちゃんの誕生日をみんなでお祝いしていたのでした。

ケーキは、ロットさんの手作り。
緑色のスポンジケーキに一瞬ぎょっとしましたが、
バイトゥーイ（日本語でパンダンリーフ）という葉を使っているようです。
バイトゥーイは熱帯地域に植生している甘い香りのするハーブ。
ホシハナヴィレッジご宿泊の方へ差し上げているアメニティセットについているお花（ポプリ）、
これも実はバイトゥーイの葉で作られています。

さて、話は変わりますが、
7月6日から12日まで、新宿高島屋にてバーンロムサイのPOP UP SHOPがオープンします。

東京/新宿　新宿高島屋　バーンロムサイPOP UP SHOP
http://www.banromsai.jp/information/?page_id=329

POP UP SHOPでは、手織りの帯が初お目見え！
普段は、バッグやポーチなど長くても1mぐらいまでの長さを織ることがほとんどなので、
4mほどの帯はかなり長く、しかも、カラフルになものになると、
色が変わるごとに糸を変えていかなければならず、
途中でぽろっと弱音をはいてしまう場面もありました。

さき織りは、服を作って残った端切れの生地などを細く裂いて糸玉にし、
その糸を手織りして1枚の布にしていきます。
カラフルな帯を織っているときのキットさんの足元には、
小さな小さな糸玉がたくさん入った袋が置かれていました。

でもこうして、できるだけ最後まで大切に生地を使い切るようなものづくりができることを
私はとても嬉しく思っています。

そして、その商品を大切に使ってくださるお客様がいるとしたら
こんなに嬉しいことはありません。