機織りの村メーチェムへ
チェンマイとその周辺には、染めや織りなど手仕事が残る村が点在しています。
今、バーンロムサイとのつながりがあるのは、2つの村。
藍染をお願いしているメーセム村
そして最近、草木染をお願いし始めたドイタオ村
少しバーンロムサイのものづくりの歴史をさかのぼると、
手織りの生地をオーダーしていたことのあるメーチェム村。
メーチェムは、機織りの村として知られています。
縫製場のリーダーであるシーさんは、そんなメーチェムの出身。
私もガイドブックで読んで、一度行ってみたいなと思っていたら、
シーさんが村に帰るタイミングに合わせて、連れていってもらえることになりました。
メーチェムは、タイでいちばん高い山ドイ・インタノンの麓にある村です。
バーンロムサイからは約100km弱、車で2時間ほど。
シーさん夫婦と、シーさんの妹で縫製場の裁断を担当しているワーンさん、
ワーンさんの愛娘ソフィアちゃんも一緒に、のんびり向かいました。
山を登って登って、
向こう側に見える集落がメーチェム。
メーチェムの市場で、まずはお買い物。
とれたての野菜や果物が並んでいました。
シーさんの実家に到着。村を案内してもらうことに。
家のすぐそばにあるお寺へ、まずはごあいさつ。
および腰で、吊り橋を渡り、
怖がりつつも、橋からの景色は気持ちがよく、
渡りきったところで、のびのびと育つトウモロコシにも元気をもらいました。
家に戻ると、ワーンさんがお昼ごはんを作ってくれていました。
タイにも、タコウィンナーは健在!
シーさんが作ってくれたパイナップルのソムタム。
ソムタムは、青パパイヤを入れるのが一般的なのですが、今回はパイナップル。さっぱり、ほんのり甘く、食べ始めたらとまらなくなってしまいました。
昼食のあと、いよいよ機織りをしているところを見に!
バーンロムサイが織物を始めた頃は、
その当時のボランティアの義理のお母さん、叔母さんに、
タイの伝統衣装パーシン(巻きスカート)を織ってもらっていたそうです。
その後、つてをたどって、このメーチェムにつながり、
カンマルアンさんとオンシーさんという方に、
ベッドリネンなどを作るための幅の広い生地を織ってもらうようになったそうです。
この日、カンマルアンさんには残念ながらお会いできませんでしたが、
オンシーさんにはお会いすることができました。
のどかな小道を歩いて、オンシーさんのお宅へ。
オンシーさん。
家の軒先で、細かな模様が入った飾り布「ティーンヂョック」を織っていました。
表側
裏側
織るときは、表側ではなく裏側を見ながら。
経糸を数か所すくっては緯糸を1色通し、また経糸を数か所すくっては別の1色を通し織っていく、
気の遠くなるような織り方。
1日に15cmしか織れないのだとか。
記念写真と一緒に、ティーンヂョックが並んでいました。
織り機の向こう側が、テレビとソファが置いてある居間になっていて、織りながらテレビも見られるように。
一家団らんの中に、織り機が自然に存在しているように感じました。
暮らしの中に織物があるのを、ちょっと羨ましく思ったり。
昔話に花がさく3人(写真左から、シーさん、オンシーさん、そして元ボランティアの夕子さん)。
シーさんは、それまで仕事を転々としていたところを、
オンシーさんやカンマルアンさんと知り合いだったお母さんに、
腰を落ち着けて働いてみては、とバーンロムサイを勧められたのがきっかけで働くようになったそう。
それからもう10年以上、縫製場メンバーの中で最も在籍年数が長く、
最初はミシンも教えてもらいながら縫っていたのが、今ではリーダーを務めるまでに。
バーンロムサイをすすめた、シーさんのお母さん。
固くなっていたみつろうをドライヤーの風でやわらかくしています。
シーさんのお父さん。お母さんから柔らかくなったみつろうを受け取り、ろうそくを作っています。
できあがったろうそく。
このお父さん、占いができると聞き、せっかくなので占ってもらいました。
名前、生年月日、生まれた曜日を伝えると、本で何やら黙々と調べはじめ、
渡された占いの結果。
これを、ワーンさんが解釈して伝えてくれたのですが、、、
事故にあうか、脳の病気になって手術が必要になる(!)と言われて驚き、
それ以外にもいろいろ言われたのに、ほとんど記憶にありません。
そして、先ほどお父さんが作っていたろうそくを家に帰って最後まで燃やし、
お経や数字が書かれたお守りのような布をお財布に入れておけば大丈夫ということで、
どちらもありがたくいただいて帰りました。
その後、シーさんやワーンさんの間では、この話題で持ち切り。
私がメーチェムに来たのは、このためだったんだ!よかった!と。
おかげで(?)、今のところ事故にも遭わず、
脳の手術をするような大事にも至らず元気に過ごしています。
帰りに、お隣の町にあるティーンヂョックのお店に寄りました。
ティーンヂョックの伝統的な模様は、16種類あります。
お店の裏には、ティーンヂョックを織っている方がいて、
この地域の女の子は、小学生の高学年ぐらいから織り始めるので、誰でも織ることができるのだそうです。
ここまでの細かい織りは難しいけれども、
もし次来ることがあれば、機織りを実際にやってみたいなと思いました。
そのときは、ぜひカンマルアンさんにもお会いしたい!
湯浅京子 | 2016/08/25(木)
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