布に込められた思い、物に気づかされる色々なこと
日本では2月銀座での「+art展」も無事終わり、事後処理や棚卸しなどでバタついていた事務所も少し冷静さを取り戻しつつ、気付いたら逗子事務所では梅が散り、さくらんぼの木が咲き始めました。
10日間の立ちっぱなしがかなり足にきたので、展示会でお世話になっているNAOTに履き心地の良い靴を探しに行きがてら、最近話題になっている御徒町から蔵前あたり(カチクラと呼ばれているらしい)散策へ、その流れで事務所の牧子さんに教えてもらった「BORO展」を見に浅草へ行ってきました。
「BORO展」は雷門の奥にある、一見スーベニアショップのような「アミューズ ミュージアム」で3月26日まで開催されています。
http://www.amusemuseum.comチェンマイではモン族、リス族、カレン族など…様々な民族の伝統的な衣装の手仕事部分をリメイクしているので、日本の古布ってどんなんものがあるのだろうか…と全く無知ゆえ未知の世界に興味津々。
階段を上って"順路"の先に目を向けると、そこには美しい手仕事の数々が展示されていました。
触れても写真もOKとのこと。大切に使われてきた布から作り手と使っていた人たちの思いが伝わってきます。
細やかな柄や縫い目は”技術”というよりも、作り手の思いや心遣いが糸や布に伝わり、言い表せない思いが込み上げます。使い古した布を裂いてもう一度織り上げて布地にする日本の「さき織り」も、元々東北地方が発祥の地と聞いたことがあります。
私たちの工房で作っているさき織りも「昔日本人の女性が寄付してくださった1台の織り機から始まった」と聞いていましたが、その経緯は気にしたことがありませんでした。
そして、昨年の12月たまたま参加した檜原村でのイベントでお会いした女性とお話ししているうちに…え?チェンマイ?昔行ったことあります!と…お話しするうちに「13年前、織り機を持って置いてきてしまったけど、迷惑だったかな?とずっと気になっているんです」と。
なんと…最初に織り機を持って来てくれたご本人と判明。迷惑だなんてとんでもない!今では古布シリーズに続くとても重要な商品群になっています。その時の写真を送ってくださったので掲載させていただきます:
13年前。メー千恵と初めて見るコンパクトな織り機に男の子たちが集まる。
自由に何でも織れる!と聞いて盛り上がる。
楽しい色の糸がたくさん!じゃあお庭の花も織り込んじゃえ!マンゴーも!!と色々挑戦してみた子どもたち。
マンゴーはうまく織りこめないことが判明したようですが、出来上がった記念すべき初作品。
初日は織り機にさわれなかったダーオ。次の日の朝一人織り機の前待っていたらしく、嬉しそう。
昨年から縫製場スタッフとして働いているダーオ。ダンスをしているアーム。市内のオシャレなホテルでは働いているプロイや、自力で再び大学に入ったナット。
小さい頃に体験したことが、どこかでしっかり子どもたちの心の中に残っている…。いつの?何が?誰に?どう?影響するか??は…本当にわからない。でも、今までホームを訪ねてくださった方々、多くのボランティア、関わってくれたスタッフや友人たち、今一緒に働いているスタッフたちにまた感謝の気持ちでいっぱいになり、様々なことに思いを馳せた素敵な休日でした。
名取美穂 | 2017/03/05(日)
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