第2回 ホシハナチャリティーイベント ~女川港大漁獅子舞~
今回の企画の概要です。
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「伝統文化の継承を通し、地域の誇りの再認識を促す交流」
このイベントは、アジアの女性と子どもの権利を守るために主に教育支援を中心に活動している「アジアの女性と子どもネットワーク(AWC)
http://www.awcnetwork.org/」が、伝統文化を子どもたちに継承しながら、東日本大震災の復興にも力を発揮している宮城県女川町の熊野神社氏子の方々をタイに招聘し、タイの山岳民の村々や学校で獅子舞の演舞を行うという企画です。
タイの山地民は今も昔からの伝統的な暮らしを続けていますが、貨幣経済の浸透や他民族からの差別、進学や就職で青少年が村を離れることも多いといった理由から、伝統文化の継承が難しくなり、自分たちの文化に誇りを持てる若者が減ってきています。こうした伝統的なアイデンティティの喪失と、文化に誇りを持つ人の減少はタイだけの問題ではなく、現代の日本にとっても共通の問題です。
女川町では正月や熊野神社の祭りの時に獅子舞が家々を回り無病息災を祈る伝統が今も引き継がれており、子どもたちにもこの風習を伝承させることに力を入れています。東日本大震災の時には家族や家を失うなどの大きな被害を受けてしまいましたが、獅子舞が心の拠り所となり、犠牲者への鎮魂の祈りを込めた演舞は地域の人々の復興への活力の源ともなりました。震災後も子どもたちが自発的に獅子舞に参加し、文化を継承しています。
獅子舞には言葉は必要なく、舞台上での演舞にとどまらず会場を練り歩き、観客を巻き込んでいく獅子舞は、見ている人も演じている人も両方を元気にする力があります。これをタイで披露し、交流することで、双方の視野を広げる場を作り出していけると同時に、演じる人も見る人も、全ての人々をエンパワメントできる機会を作り出したいと思っています。今回、タイで演舞を披露するメンバーは、中学生3名、高校生1名、おとな3名の計7名です。
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雨季のチェンマイ、当日の雨が心配されましたが、雨も降らず、イベントの日を迎えることができました。
子どもたち入場
リーダーの岡さん
あふれ出るオーラがすごかったです。
演舞の始まりに、八百万の神様をお呼びし、ご挨拶をします。
会場のお客さんも一緒に掛け声をかけていきます。子どもたちは、何が起きているのかよく分からず、しばし放心。お獅子が登場して、子どもたちがざわつき始めました。
近くで見ると本当に迫力があります。
驚いてはいるものの、動じないピーマイ
こういうのは、男の子の方が怖がります。女の子は意外と平気。
すごい勢いで後ずさりするタイタン。抱っこしているネンも一緒に下がってしまいました。
ひせりながら、飛び退くドーム
タイタンは、キットさんのもとに退散
お獅子に頭や体を噛んでもらうと、厄払いになり、幸運がもたらされます。賢く、健康に、美しく、、、大人たちはこぞって噛んでもらいにいきます。
美和さんは腕を、
縫製場のキットさんとティックさんは
頭を噛んでもらいました。
子どもたちはパニック!
こんな小さな赤ちゃんも頭を噛んでもらいました。
お獅子は疲れたので少し休憩
その間に大黒様をお迎えします。
お獅子はそろそろ起きるかな・・・
みんなドキドキしながら見守っています。
そして、獅子が復活!
2回目のお獅子にはみんな慣れてきました。
ベンも、
チャイも、
ノンも、
あんなに泣いていたタイタンもついに!噛んでもらいました!
しかし、よくよく写真を見てみると後ろから大人3人(キットさん、ティックさん、ベン)が
押し込んでいました…
最後にお呼びした八百万の神様に「おいとま」をして感謝をし、神様にお帰りいただいて演舞終了です。
今回は、大人のメンバーに交じって、中学生3人、高校生1人も参加し、演舞を披露してくださいました。高校生の女の子は今年3年生で、受験勉強をしながらの参加だそうです。今回は、まむし・こまむし初の海外公演だそうで、その披露の場としてバーンロムサイを選んでいただき光栄です。(チェンマイ県、チェンライ県の他の児童養護施設も回られていました。)
演舞の後は、ホシハナオリジナル、ジャスミン風味のフルーツポンチを食べながらの交流会。こちらも好評でした。ホシハナの敷地内で採れたラムヤイもふんだんに使われています。ラムヤイ入りは、今回のイベントのための特別メニューです。
集まってくださったお客様は日本、タイ、アメリカの方がいらっしゃいましたが、みなさん日本の地域に根差した伝統文化に身近に触れるいい機会だったとおっしゃっていました。
女川港大漁獅子舞まむし・こまむしの皆様、AWCの皆様、来てくださったお客様、皆様本当にありがとうございました。
山下曜子 | 2018/08/02(木)
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