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ペット

今年の12月で18歳になる、現在高校3年生のペットが、11月1日、「バーン デックチャイ(ヴィエンピン国立孤児院)」で暮らすため、少し早く卒園しました。

1歳くらいの時にホームへ来たので、約17年間バーンロムサイで暮らしたことになります。

赤ちゃんの時から保母さんにも、日本のボランティアにも人気のあったペット。
小さい頃は体調を崩すことも多々ありましたが、歳を重ねるにしたがって、甘えん坊のかわいい男の子から、素敵な青年へと成長してゆきました。

バーンロムサイへ来た当初のペット。

この笑顔にイチコロだった人も多々。

突然描き始めた仏画。

この絵で優勝し、バンコクへ。

いただいた賞金は卒園まで
大事に貯金しました。

上記の絵を描いている頃は、末はアーティストか?!とも思いましたが、いつの間にか全く描かなくなり、
その後はサッカーに夢中。
ペットは毎年1回のオムゴーイ山岳民族支援プロジェクトに皆勤賞で参加し、最初はボーッと見ているだけでしたが、年を追うごとに動きが変わり、若手として頼れる存在になって来ていました。

山の村の子どもたちと接する時もそうですが、ホームの妹や弟たちにも優しいお兄さん。

そう、ペットは気持ちの優しい子なのです。

オムゴーイの山の村人へお菓子を配る手伝いを。

ホームの最年長となったペットのすぐ下が、小学校6年生のゲンとガムペーン。

バーンロムサイの中で年齢が近く色々話ができる男の子がいません。
さらにこのコロナ禍で学校へ殆ど行けず、ホームの外に出ることが出来ない彼は、学校の友だちにも会うことができませんでした。

しんどかったと思います。

特に勉強が好きではなく、なので大学への進学は考えず、でもなんとか国立孤児院へ戻っても高校だけは卒業して欲しいとは、思います。

さらに勉強以外で何かやりたいことがあれば、、と思ったのですが、それもまだ見つからないので、スタッフとも色々話した末、本人が国立孤児院へ行くことを希望しました。

国立孤児院へ行けば、ここよりは数倍自由があり、職業訓練所や就職先の紹介などチャンスが広がります。色々なところで働いてみて、何か好きなことがいつか見つかれば良いし、途中でどうしても勉強がしたくなったら、こちらでもサポートできるし、、、、。

自由は決して楽なものではないことも、きっと分かってくるだろうし、、。

ちなみに国立孤児院は問題を起こさなければ最長26歳まで暮らすことが出来るそうです。

そういえば女の子の水着を着せられていましたねー。

子どもたちが抗HIV療法を開始し、大人になることができると確信し始めた2003年頃から、特に勉強が好きではない子どもたちへ無理な高等教育は受けさせず、自立のために手に職をつける手助けに力を入れようという考えは、病気の有無にかかわらず、今でも変わっていません。

しかし経済的自立と職業訓練の場と思って育んで来た縫製場とゲストハウスが、このCOVID-19で一時ストップしてしまい、しばらくは以前の状態には戻ることができない中、これから卒園してゆく子どもたちは、18歳を待たずに早い時期に国立孤児院へ行った方が、本人のためになる場合も出てくると思います。

やりたいことがもしあれば、専門学校へ通うなど手助けもできますが、そうそう早い時期に人生の目標をたてられる訳ではないので、色々なチャンスがある国立孤児院というチョイスは、決してネガティブな判断ではなく、将来のプラスになることがあるのです。
事実、早くに卒園して国立孤児院へ行き、紆余曲折はあったにせよ、世間に揉まれて今逞しく生きている
卒園生もいます。

ターク県の福祉施設から、全く身寄りのない状態でチェンマイの国立孤児院、そしてバーンロムサイへとやって来たペット。

これから先、心を許せる友人や彼女ができ(すでにいたりして)、そしていつか新しい家族を作ることができますように!

出発当日。
大人になりました。

頼りにしていたお兄ちゃんとお別れ。

身の回りのものを少しだけ持って、
新しい生活が始まります。

体には気をつけて、
元気で、そして幸せに。
ペット。

| 2021/11/05(金)

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