1. 子どもたちの生活支援
開園当初エイズを発症し10名の子どもが亡くなりましたが、2002 年から始めた抗HIV 療法により、現在子どもたちは将来に夢を持ちながら元気に生活しています。しかし彼らはエイズを発症させないために、一生毎日薬を飲み続けなければなりません。そのため、バーンロムサイでは子どもたちの健康管理と生活環境の向上をサポートしています。また、タイの法律により18歳を超えた子どもたちは園外で生活していますが、学校に通っている子どもには教育費と生活費の支援をしており、体調を崩した子どもたちへのケアなど、繋がりを持ち続けています。
2.子どもたちの自立支援
いまだに根強く残るHIV/AIDS に対する差別や偏見。進学や就職の選択肢が限られている彼らが困難を乗り越え自信を持って生きてゆけるよう、好きなこと、得意なことを見つけ、それを職とすることへの支援は欠かせません。バーンロムサイでは大勢のボランティアの協力を得て、創作活動やスポーツ、また様々な職種に触れる機会を多く作ってきました。また、ホームの自立運営を目指すと同時に、将来子どもたちの職業訓練や就職先となるよう、縫製場、コテージリゾートhoshihana villageなどの事業を行っています。
3.エイズ予防等の啓発活動
バーンロムサイのあるタイ北部ではエイズや感染源となる麻薬の問題などが根強く残っているため、ホーム内のコミュニティスペースを利用してタイ人スタッフが中心となり、地域の人々にエイズや麻薬、健康に関する啓発活動を定期的に行なっています。また、地域の住人・村の子どもたちとの交流を図り、HIV/AIDSへの理解を深め、差別と偏見をなくすことを目指しています。日本でもイベントや展覧会を通してHIV/AIDSの正しい理解、感染防止を呼びかける啓発活動を続けています。
4.地域の人々への支援
バーンロムサイではHIVに母子感染した孤児たちへの支援のほか、次のような支援活動も行っています。
- 親を失ったり、親が近隣国からの避難民だったりなど、様々な事情により家族と住むことの出来ない子どもたちの入園受け入れと支援。
- HIVに感染し就労が困難な女性や、差別を受けている少数民族、地域の貧困家庭の女性を縫製場にて積極的に雇用し、技術を身につけさせるなど、就労を支援。
- 貧困などにより就学が困難な子どもたちへの教育費、ならびに進学支援。
- ホームの子どもたちと合同で行うスポーツやキャンプを通じて、貧困や避難民として不安定な生活を送る村の子どもたちを支援。
- 北部タイの山岳民族の村へ、物資調達などの支援。
5.自立プロジェクトと「新しい社会貢献の形」の提案
バーンロムサイは、社会情勢や経済状況によって左右されがちな寄付だけに頼らず、自立した運営を目指して事業を行なっています。2001年に始まった<ものづくり>。敷地内の植物を使って草木染めをし、それを製品化するために縫製場を設けました。現在はチェンマイの気持ちのよい布や少数民族の古布、手織の布を使用した衣類や雑貨など、洗練されたデザインのオリジナルプロダクツを製作・販売しています。2004年、支援者から寄付していただいたコテージをコテージリゾート hoshihana village としてオープン。縫製場同様、将来子どもたちの職業訓練や仕事場となることを鑑み、その収益をホームの運営に利用しています。これらの活動は、地域住民の雇用促進、生活支援ともなり、購入、利用していただくことが自然と支援につながる、新しい社会貢献の形づくりを進めています。