年長の子どもたちがホームを出て
ミルク、アーム、テンモー、ナット、ヌンが11月1日にホームの外に出てから10日近くが経ちました。一足早く、10月30日に出発したピーダーウが翌日にはスタッフのベンに電話をかけてきて「昨夜はホームが恋しくて夜通し泣いた」と話したというのを聞いていたので、この5人もきっと引越当日は同じように眠れぬ夜を過ごしたに違いないとスタッフ皆で話していたら、そう思っていたのは実は大人たちだけだったことが発覚しました。翌日の夕方になっても誰もうんともすんとも言ってこないので、しびれを切らした保母のティムが一人一人に電話をかけてみたところ、ミルクは学校のお友だちと買い物中、アームはアパート前の屋台で食事中、テンモーは夕寝(?)中、ナットは自室で受験勉強中、ヌンは友だちとバドミントンをしているところでした。みんなそれぞれに、さっそく人生で初めての一人暮らしを楽しんでいる様子。彼らを送り出した私たち大人はちょっと淋しいですが、彼らがこうして自立への一歩を踏み出し、外界を恐れることなく、新しい人生を謳歌し始めてくれていることが何より嬉しく、また頼もしく感じられるのでした。
先週の土曜日は、ホームを出た後も“ロムサイバンド”の練習に参加するため毎週帰ってくると言っていたヌンが、ギターを背負って、本当にホームにやってきました。学校のお友だちと一緒に。このお友だち、ヌンが「あいつを見たら、メーたちはびっくりするよ」と言う通り、とってもヤンキーな外見の若者でしたが、彼らが練習中の音楽室に潜入してみたところ、きちんと私にワイ(合掌)をし、屈託のない笑顔を向けてくれる好青年でした。ヌンによると、彼はベンやエーよりもずっと上手いドラマーだとのこと。聞けば、何か月か前に彼を含む数人の学校の友だちとバンドを結成したのだそうです。どこまでのことをこのお友だちに話しているのかは分かりませんが、こうして自分の育った孤児院に連れて来られる友人を持ち、さらには音楽という趣味を持っているヌンが、ホームにいた時よりも一回りも二回りも大きくなったように見えました。
”大きくなった”と言えばこの人、”年中の”オン。以前からドラムをやりたくて仕方がなかったのですが、当時は年長のスがドラムをやっていたのでポジションを得られず、音楽室の外で一人”エアドラム”をたたく姿をよく見かけました。スは来春進路が決まるまでホームにいますが、音楽活動からは離れたので、ようやくオンにチャンスがやってきました。このところカメラを向けると年長の子ぶって「撮影禁止!!」と怒っていたオンですが、今日は初のドラマー姿を収めてほしいらしく、珍しく笑顔を向けてくれました。以前から”ポスト年長組”の筆頭的存在ではありましたが、ホームを出た上の子たちからたくさんの責任ある役割を引き継ぎ、顔つきも何となく大人っぽくなってきました。これからは年長さんとして接してあげなければならなさそうです。
まだまだおそろしく下手なロムサイバンドですが、
12月のクリスマスパーティーに向けて、ただ今猛練習中。
車掃除係も世代交代。先々週からちびっこ清掃隊が全身びしょぬれになりながら大きなバンと格闘しています。
ペットとボーイ
ベン
かくいう私のところにも、これまでピーダーウ担当だったしっぽ丸の餌係が回ってきました。。。
大塚 美里 | 2011/11/09(水)
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