1960年代、ドイツで
ドイツで暮らし始め学校に通い出したら、16歳と言う年齢、そして必要に迫られたからなのでしょう、自分でも信じられないようなスピードでドイツ語を覚え、半年で何不自由なく話せるようになりました。日本の学校で何年も苦しめられた英語はほとんど役立たず、、、、
実際にその国で暮らしてみるといろいろなマナーや習慣、生活の知恵の違いがある事に気づきました。
人前で音を出してのクシャミはご法度、喉の奥のへんで止めてしまい「失礼」と言う、そして周りにいた人は「gesundheit!」まぁ日本語で言えば「お大事に!」と声を掛ける、鼻水をかまずにずるずるすするのは失礼、大きな音を立ててでも鼻はかむもの、もちろん食事中のクチャクチャ音やズーズー啜り音は下品、でもトイレは用を足す所そこでどんな音が出ようと気にしない、公共の場や大衆食堂ではトイレのドアにコイン(20円程)を入れて開けるか「トイレの婦人」が居る場合は彼女にチップを渡し開けてもらう、
学校は勉強するところ、掃除は清掃業者に任せ学生が掃除をすることはまずない、階段などの共用部分の電気は付けたら自動的に20秒ほどで消えるので高い階まで行くには何回かスイッチをonにしなくてはならないし、駅には改札口がなく、汽車のドアは乗降時乗客が自分で開け閉めする(汽車の場合しまっていない扉を発車前に車掌が閉めて歩く)、路面電車しかり(この場合閉めるのは運転手が運転席でボタンを押して閉める)、当時から喫煙と禁煙車両に分かれていたし、障害手帳を持った人たちは堂々と障害者手帳を見せ健常者から席を譲ってもらい、学生や若者は当たり前のように年長者に席を譲るかそもそも座らない、
休み時間同級生たちが生のグリーンピースやカリフラワー、にんじんをかじっているのにはびっくり、ブドウは種も皮もみんな食べちゃうし、リンゴは丸かじりしヘタしか残さない、未成年者がタバコを吸っても誰も何も言わないし自宅でのお酒も食事の際たしなむ程度ならOK、同級生の女の子が家に泊まりに来た時シャワーを浴びている私の横のトイレで普通に用を足していたし、素っ裸で寝ていたのにもビックリ、市内の公共プールの敷地の一部は竹垣で囲まれてはいたが男女共有のヌーディストクラブ!市営サウナは男女混浴だった!
ウーマンリブが台頭するまでは男性が食事代や映画館の入場料を支払うのはルールのようなもの(あとでこっそり女の子が代金を渡すことがあったとしても)、コートの脱ぎ着させ、ドアの開け閉め、タバコに火をつける、ワインを選ぶは当然男性の役目。ドアの開け閉めは静かに、バタバタ音を立てて歩くのは失礼、誰かとぶつかったら双方「失礼」と声を掛ける、物を落としたら必ず誰かが拾うのを手伝ってくれる、乳母車を電車に入れようとしている母親を当たり前のように近くの人が手伝う、車椅子然りこれは100%当たり前。
よそのお宅のお食事に招待された場合持って行くのは花かお酒かチョコレートが定番、犬もレストランやキャフェに入れえもらえる、ただし足元で静かにしていられる犬に限る(ほぼ全犬しつけられてこれが出来る!)自転車の車内持込みOK、
お釣りの渡し方が日本の引き算方式と違い「足し算式」、例えば3650円の買い物をし、客が5000円札を渡したとする、すると店側はまず50円出し、これで3700円と声を出して言う、その後300円足してこれで4000円、そして1000円札を出して5000円です!と言う方式。日本のように暗算で5000円引く3650円は1350円と計算して渡すのとはちがう。お分かりですか?
またレストランやキャフェでは自分のテーブルでお勘定を済ませるので、何人かで割り勘で食事をしたとしても、自分が何を食べたかを口頭で告げると、ウェイターがそれをメモに計算をしその場で精算をする方式。チップの渡し方は = 代金が3650円とすると、客はチップを乗せた金額をウェイターに伝える、350円をチップとして上げる場合3650+350=4000円なので「4000円」と言い、ウェイターは1000円のお釣りを渡し「DANKE」と言う事となる。これはタクシーなどでも同じ、お釣りを一度もらってからチップを別に渡すことはほぼない。ビヤホールやワインバーでは飲み物を注文するとウェイターが運んで来る度に客の紙コースターに1本棒を書いてゆく、精算の際はその本数を足し飲み物の精算をする、ともかくみんなよく飲むよく飲む!!チップ自体面倒なのですがこの方法に慣れてしまえばこっちの方がラクチン。直接チップを渡すのは映画館での席まで案内してくれる人とか駅のポーターくらい。
またある程度の規模の店で買い物をするとまずレジで精算を済ませ領収書を持って商品引き渡し所に行き、商品を確認してから包装をしてもらい受け取る、靴屋ではまず自分の足のサイズを測ってもらい希望の形を店員に伝えると、奥からそれに見合った靴を出して来てくれる、デザインが気に入り買いたいと思ってもちょっときつかったり大きすぎたりすすると「足に合わない靴を買うのは止めなさい」とアドヴァイス。あの頃のドイツでは店員になるにも資格試験が必要、お客と店員=ギブアンドテイクと言った感じで「お客様は神様です」などと言う気持ちの悪い考えもなく、上っ面だけのマニュアルサービスなど考えられず、しっかりと専門知識を持ったプロが働いていました。
2012年、あれから半世紀が経ち、ドイツでも消えてしまったマナーや習慣もあるでしょう。欧州共同体となり国境が取り払われ、異民族、異宗教が混然一体と暮らすようになり、交通や通信システムも進歩し、女性が更に強くなり、、、新たなマナーや生活の知恵が必要となってきた事でしょう。
暮らし始めて15年のここタイ、この国も日本やドイツとは全く違うところがたくさんあります!
でも国によっていろいろ違うから面白い!違うから面白いを楽しまなくちゃ!
「ひ・る・ね・こ」
猫もマナーや習慣、生活の知恵が国によってちがうのかなぁ、、??
名取 美和 | 2012/01/15(日)
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