アメージング・ジャパン!
国民性を現すジョークに、世界にはこんな「笑い話」があるそうです。
ある大金持ちがこう言った。
「もしも、青い毛並みの馬を見つけてきたら、莫大な賞金を出そうじゃないか!」
各国の代表はすぐに行動を開始した。
イギリス人は、青い馬がいそうな未開の地へ行くべく旅行の準備をはじめた。
ドイツ人は、そんな馬が本当にいるのかどうか博物館や図書館へいって調べた。
フランス人は、ペンキ屋に駆け込んで青いペンキを買った。
スペイン人は、莫大な賞金をもらった気になって盛んに前祝いをはじめた。
日本人は、努力に努力を重ねて品種改良をして、青い馬をつくろうとした。
それぞれの国民性を皮肉るジョークですが、日本人の生真面目さや、生きる姿勢がよく現れていますよね。もちろん実話ではありませんが、今回久しぶりに日本に帰国し、この「笑い話」って、あながち大げさじゃないかも…と思うくらい、母国・ニッポンの凄さに、大きなカルチャーショックを受けることになりました。
まずは羽田空港。荷物が等間隔に流れるようセンサーで制御された「完璧な」ベルトコンベアー。
それでも更に荷物が傷つかないよう、落ちて来る荷物を1つ1つ丁寧に受け止める係員。
「お取り違えが無いように」とプラカードを持ちながらアナウンスする女性職員。
どこを見渡してみても「サボっている人」が見当たらない。
超ハイテクトイレとその説明書きの美しさ。液晶画面の自動販売機。
11時30分に出るバスが11時30分”ちょうど”に出発する。
一歩街に出てみれば、網の目のように走る電車・地下鉄・モノレール。
電車を待つ整然とした列。満員電車もジッと耐え、不平不満言わず働く大人たち。
そして。どのお店でも、お釣りは「千、二千」と数えてくれる。
道を聞いただけで「お気をつけて行ってらっしゃいませ」と見送られる。。。
日本ではどれも当たり前の光景かもしれませんが、タイでの生活に慣れ始めた私にとっては「アメージングジャパン!」の連続でした。こんなにも勤勉で、忍耐強く、ホスピタリティーに溢れた国が他にあるでしょうか?もう十分に高いクオリティーを極限まで高めようと、一致団結してこんなにも働く国が他にあるでしょうか?「マイペンライ(大丈夫、大丈夫)」の国で暮らし始めた私にとって、誰もが背筋を伸ばし、凛として仕事に取り組む姿には、感動すら覚えました。
大震災が起きても決して暴動が起きず、暴動どころか不平不満も言わず、忍耐強く復興に取り組む姿は世界から賞賛されましたが、今回改めて、日本人のこの国民性は、世界に誇れる日本の「宝」だとしみじみと感じました。
一方で日本人の「努力に努力を重ねる姿勢」や「忍耐」は、時に息苦しさや、生きづらさに繫がってしまうのは宿命的な事なのかもしれません。「生きる」ことに対して「働く」ことが占める割合が大きいし、とりわけ東京は利便性が飽和状態に達して「息するだけで大変!」という空気があり、「少し行き過ぎでは?」と不安になりました。チェンマイに暮らすタイ人ならば「肩の力抜けよ!電車が1分遅れてもなんとかなるよ」とアドバイスするかもしれませんが、日本にいると「そうもいかないよね〜」と言うのが正直なところ。景気回復、デフレ脱却を目指す日本ですが、「生きづらさからの脱却」は日本が抱えている最も難しい課題の1つなのかもしれません。
さぁ明日、日本からチェンマイへ帰ります。タイに暮らす日本人として、努力に努力を重ねる姿勢、勤勉さは忘れず、でも「気持ちよく働く」という価値観を日本に伝えられるような、そんな人になれたらいいな、と思っています。
雪降る札幌からチェンマイへ。気温差「30度」です!!
谷岡 碧 | 2013/04/13(土)
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