鎌倉だより~もんきりあそび~
「紋切り型」といえば「決まりきったやり方」をさす否定的な意味合いで使われている言葉ですが、もともとは紋を切り抜くための型のこと。「紋切りあそび」は、江戸から昭和の初めまで庶民に親しまれていた遊びでした。紙を折って、型どおりにはさみで切りぬき、そっと広げると、そこに現れる紋の美しさ。
江戸時代の紋切り型
広げた時の驚き!
11月の写真日記でも書きましたが、鎌倉店の冬支度で切り絵の飾りをつくりました。
それ以来、すっかり切り絵にはまってしまった私。
染谷さんがインターネットで見つけた型紙
広げると雪の結晶☆
文学館のステンドグラス
なぜか和風になりました。
このワークショップに参加して知ったのが冒頭の「紋切りあそび」の話。
日本の伝統的な芸術など・・・茶道、華道、武道などは、まず「型」ありき。
「守破離」という言葉で表されるように、「型を守る」「型を破る」「型を離れる」というのがその修行の道です。型を離れて「自在を得る」境地に達した達人ほど「型」の大切さを知っているのではないでしょうか。今では「つまらないもの」という表現の「紋切り型」ですが、昔は悪い意味ではなかったようです。
基本を大切にするこの「守破離」という考え方、見た目も性格も日本的な私にはしっくり馴染みます。
紋切り型で楽しむ私をよそ目に、同じく切り絵にはまっている「型破り」な夫は独自の創作を開始。
鎌倉尽くしだそうです。モチーフは身近なところにたくさんありますね。
特産わかめ、八幡宮の鳥居、黄緑は謎・・・
はぜ、五輪塔、もみじ、いちょう・・・
もうひとつの職場の知的障がい者施設の創作の時間にも、もんきりあそびをしてみました。
私が用意したのは、紋切り型と、はさみと、のりと、絵の具だけ。
できない=型にはまらない。彼らを見ているとその自由な発想が羨ましくなります。
バーンロムサイ製品にも「紋切り」に通じるものがありました。
人気の古布シリーズ。これぞ文様の宝庫です。
もともとは民族衣装だった古布は、ひとつひとつの文様に意味が込められているのも日本の「紋」と同じ。
自然から得たインスピレーションをモチーフに、家族の健康や幸せを願って刺繍がほどこされています。
この文様はどこにあるでしょう?
どうぞ文様さがしに鎌倉店に遊びにいらしてくださいませ。
宇治牧子 | 2013/12/23(月)
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