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アーム、日本で踊る

寒い東京から寒いチェンマイへ戻ってきました。

朝霧のバーンロムサイ

12月29日まで開催中の日本橋髙島屋でのバーンロムサイ展。その展覧会でタイ古典舞踏を披露するという機会を作っていただき、アームと付添のウェウと一緒に1週間日本へ行ってきました。

アームは今年20歳になったばかり。小さいころから好きだったタイ舞踏を専門的に学ぶため、タイ古典芸能専門学校に6年間通い、今年の5月からはタイ舞踏を教える先生になるために大学の教育学部に進学。外に暮らす子どもたちの中でも「好きなこと、やりたいこと」がはっきりしている彼女は、踊りという「手に職」があることで今回4回目の日本行き。出発前に化粧から着替えも含め踊りのリハーサルをやり、大学に休暇届を受理してもらい万全の態勢で東京へ向かいました。

到着後、六本木のサボア・ヴィーブルにて開催されていたバーンロムサイ展最終日に行き、翌日は鎌倉ショップへ。そして17日にはプレス発表会のため夕方から高島屋の展覧会会場にて初舞踏。リハーサルではカチカチと音が聞こえそうなほど踊りが固く、ウェウともども心配しましたが、6年間厳しい訓練と様々な場所で踊るという経験は私たちが思っている以上にアームを心身共に強くしていて、まずは最初の17日、まだまだ緊張は抜けないまでも無事最初のステージを終えました。そして18日の展覧会初日と21日の土曜日はデパートの一階正面玄関前の特設ステージにて午前午後に2演目ずつタイ古典舞踏を披露。

豪華なクリスマスツリーを背に、正面玄関から続々と入っていらっしゃるお客様、そして名取のトークショーとアームの踊りを見に寒い中足を運んでくださった多くの方々を前にアームは堂々と踊りきりました。普段は小柄で小学生高学年に間違えられるくらいなアームも、舞台にあがれば全くその小柄なからだや幼さを感じさせない、優美でキリリとしていて、本当に美しかったです!

北タイ独特の古典舞踏、ネイルダンス

凛としていました

クリスマスツリーの横にいるトナカイが動くのですが、何故か踊りの音楽にうまくリズムがあっていて、アームが踊っているのを「オーケー、オーケー、ダイジョーブ、ダイジョーブ」とうなずいて励ましてくれているように感じるのです。朝地下鉄から外に出るとショーウィンドウにトナカイが。思わず3人で「おはよう」と声をかけていました。

お世話になりました!

今回何よりも心配だったのは、アームが舞台上で名取と一緒に司会の方からインタビューを受けるということでした。事前に質問はある程度伺っていたので練習もしましたが、実際本番ではその場の状況で少し違う質問が出ることも。しかしちょっとだけ考えてしっかり答えることができ、横でドキドキしていた名取も一安心。思っている以上に大人になったと感じることが多々ありました。

それにしてもアームの食欲はすごかった!!! 一番好きなのはうどん。時間がなく立ち食いソバ屋に入ったのですが、うどんだけでは全く足りず、カレーライスをおかわり。まわりの男性のランチと同じ。白いご飯はどんぶり3杯もなんのその。食べたものが全部脂肪になるウェウと私は、「あのアームが食べたものはどこへゆくのだろう、うらやましい・・・」と何度もつぶやきました。味の濃いものが逆にあまり得意ではない、好き嫌いというよりこういう味付けが好き!とか嫌い!とかがはっきりしているのです。またアームは今1日一回夜7時に薬を服用しているのですが、時差があるため日本では夜の9時が薬の時間。ただの一度も薬を飲み忘れることなく、9時には必ず自分で(私たちが忘れることはあったが)きちんと飲んでいました。感心!


19日のお休みの日には、元ボランティアスタッフの方が鎌倉へ連れていってくださり、雨が降っていたのもかえって趣があると、木や花の大好きなウェウも食べることが大好きなアームも大仏や鶴岡八幡宮を観光し、満喫して帰ってきました。

20日は、買い物とパッキング。チェンマイでお世話になっているタイ人の方々への買い物。アームはもっぱら学校の友だちやホームの子どもたちへのお菓子と、メインは彼氏へのお土産。手袋やバイクに乗るときに便利なバッグなどを買っていました。記憶にないくらい久しぶりに竹下通りへ私は行き、100円ショップ、390円ショップを渡り歩き、並んでクレープを買い、おそらくこの通りに居る人の中で私は一番年上だろうと感じながら二人の買い物に付き合い、そしてこの日が一番疲れたと思います。それにしても節電という言葉は何処へ?というくらいクリスマスのイルミネーションが派手派手で、もうあの震災後の節電モードは忘れ去られていました。

クリスマスのイルミネーションがすごい表参道

外苑銀杏並木で、ウェウとアームとわたし

21日、無事2回のステージを終え、土曜日ということもありたくさんの方々に来ていただき、そして今回招待してくださった髙島屋の皆様には大変細かいお心遣いをしていただきました。髙島屋の皆様、またご協力頂いた関係者の方々にもこの場を借りて心よりお礼申し上げます。アームにとってこのような素晴らしい機会を与えていただいたことは、彼女のこれからの人生にとって貴重な経験として残り、また一歩成長できたかと思います。寒い中足を運んでくださった皆様へも、「ありがとうございました!!」。

最後に、チェンマイ空港に22日夜到着したら、もちろん待っていたのは彼!彼のお父様が車で迎えに来てくれてもうすでに私たちの事はほぼ視界に入らず、彼とともに元気に帰っていったアームなのでした。
『名取洋之助展』

今週の日曜日、29日まで「報道写真とデザインの父 名取洋之助展」と「名取美和とバーンロムサイ」を日本橋髙島屋で開催しています。

私はバーンロムサイで働くまで、名取美和の父、名取洋之助氏のことはあまり詳しく知りませんでした。今回で名取洋之助展を観るのは3回目。そして今回の展覧会は写真の数も今までより多く、私の大好きなスナップ写真も数多く展示され、時代の重み、デザインの斬新さ、すべてが今見ても新しく新鮮でセンスが良くて素敵です。本当に見応えのある展覧会なのでこの週末まだご覧になっていらっしゃらない方は是非是非足をお運びください。


そして洋之助展を観終わるとそのままバーンロムサイ展へと続きます。開設から現在までのバーンロムサイを写真と文章でわかりやすく紹介したパネル、会田法行氏が10年にわたり撮り続けてきた子どもの最初の写真と今のポートレート、そしてプロダクツの数々。明後日29日が最終日。見ごたえ、買いごたえのあるこの2つの展覧会にいらしてください。よろしくお願いします。



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■ 東京/日本橋 日本橋髙島屋にて『報道写真とデザインの父 名取洋之助展』と『名取美和とバーンロムサイ』が開催中!

2013年12月18日(水)より12月29日(日)まで、東京・日本橋の髙島屋東京店(日本橋タカシマヤ)にて、『報道写真とデザインの父 名取洋之助展』と『名取美和とバーンロムサイ』が開催されています。

名取美和が父・洋之助から受け継いだグローバルな精神でスタートさせたバーンロムサイの、その活動の軌跡をパネル等でご紹介しながら、チェンマイの小さな工房から生まれる手作りのオリジナルグッズを販売しています。

期間: 2013年12月18日(水) ~ 12月29(日)
時間: 10:00 ~ 20:00(最終日29日は18時まで)
住所: 〒103-8265 東京都中央区日本橋2丁目4番1号
日本橋高島屋  8階催会場 (※これまでの企画展と違う場所です)
TEL :03-3211-4111(代)
ホームページ: http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/



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■『報道写真とデザインの父 名取洋之助展』

バーンロムサイ代表・名取美和の父であり、写真家、そして近代日本のジャーナリズムの確立に貢献し、後世名だたる写真家やグラフィック・デザイナーを育てた名取洋之助の作品と業績を紹介した展示会です。
1930年代から1960年代に写された写真作品約150点、そして仲間たちと制作に携わったグラフ誌など資料約100点が展示され、世界を巡り、モダンを愛した名取洋之助の世界を俯瞰する、見応えある展示会です。
『名取美和とバーンロムサイ』と併せてご覧ください。
(主催:朝日新聞社、一般財団法人 日本カメラ財団)

開催期間: 2013年12月18日(水)~ 12月29日(日) 
時間: 10:00 〜19:00 (閉場は20:00) 
     (※最終日29日は17:30まで/18:00閉場)
場所:〒 103-8265 東京都中央区日本橋2-4-1
日本橋高島屋 8階催会場
tel. 03-3211-4111
入場料: 一般800円/大学・高校生600円/中学生以下無料
(「障害者手帳」をご呈示いただいたご本人様、ならびにご同伴者1名様まで

麻生 賀津子 | 2013/12/27(金)

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