鎌倉だより~チェンマイへ~
2月のあたま、1週間ほどお休みを頂戴して
チェンマイを訪れました。
実は私、鎌倉店で働きながらもバーンロムサイを訪れるのは今回が初めてです。
映画「プール」を見てからというもの、一度は訪れてみたいなぁと思いつつ
これまでタイに行っても、バンコクや南の方の小さな島しか訪れた事がありませんでした。
でもやはり、鎌倉店で働くからには現地を知りたい・・・という事で行ってまいりました!
1週間も滞在したので、ホームの事、子どもたちの事、hoshihanaの事、
お伝えしたい事が山ほどあって、何からお伝えしようか・・・と迷ったのですが
今回は滞在中に訪れた「カレン族」の村での「腰織り」体験についてお伝えしたいと思います。
バーンロムサイ元ボランティアスタッフのゆうこさんにガイドをして頂き
ホームから車で片道約3時間。
車にゆられ、山間の道をどこまでも行くと、、のどかな田園風景を望めるカレン族の小さな村に到着しました。
今回お世話になるのは、代々綿花や藍を育て、紡ぎ織り染めを行っている一家のおうちです。
のどかな田園風景
まず出迎えてくれたのは、日差しの中でサバーイ(心地よさそう)に眠るわんちゃんと、クロブタのぶーちゃん。
何とも心地よさげ・・・
一家に1匹のクロブタちゃんは、幸せを運んでくれると言われているそうです。そしてなんとこの子はバーンロムサイで以前に飼われていたぶーちゃんと兄弟。
今まで写真やお話でしか理解していなかった村の暮らしはまさに百聞は一見にしかず。
何とも緩やかに、穏やかに時間が流れ
清潔で整頓された丁寧な暮らし。
必要なものしか持たない事の豊かさ。
日本にいるとどうしても、モノに溢れ、楽で簡単な生活をしてしまいがちですが、これが本来あるべき姿なのだろうなと思わずにはいられない、一言では言い表せない心地よさでした。
染め最中の布や糸たち・・
収穫されたばかりのコットンボール
そしていざ!「腰織り」体験開始です。
まずは用意して頂いた糸の中から好きなものを選びます。
手紡ぎ・手染めの糸は素朴な温もり・あたたかさがあり、見ているだけでウキウキします。
まずは自分の好きな糸選びから・・・
あたたかみのある、かわいい糸がたくさん!心躍ります。
糸を選んだら、素早くセッティング(先生が)。まずは縦糸を張る作業から。
それにしても、機械を一切使わない昔ながらの伝統手法は、先人の知恵と言いますか、、、
本当にうまいことできていて、なるほど~!と何度も感嘆の声を上げてしまいました。
6本の棒にひたすらぐるぐると・・・
仕組みはいったってシンプルなのですが、工夫次第でこんな事が出来るとは!とただただびっくりでした。
6本の棒に規則的に糸を巻きつけていくこの縦糸の作業は、技術はほとんど必要ありませんがただひたすらの地道な作業です。。。
(とは言っても、先生たちは慣れた手つきで素早く糸をくぐらせていきます)
順番を間違えると後で大変なので、私の隣では先生が終始見張り・・・。たどたどしい手つきで不器用にこなす私。。この見張りが一番大変だったのではないかと思いました。
そしてやっと縦糸完成!これだけでものすごい達成感です。
しかしここからの織りが本当に大変・・・
とその前に、今回は織りと染めを同時に体験させて頂いたので、ここでいったん染めの作業へ。
そして染めがひと段落したところで、今回の楽しみの1つでもあったお昼ご飯の時間です。
じゃがいもや葉野菜、お豆など、辛すぎず味付けも絶妙で本当に美味しい!
日本人の好みに合わせて味付けを調整してくれたのかな?と思ったのですが、そうではなくこれが伝統的な味付けとの事。
実家の祖母が昔よく作ってくれたいんげんの煮物を思い出す、とっても優しい味でした。
野菜ともち米。卵焼きもありました。
そうしてお腹いっぱいお昼ご飯を食べている間にも、織りの現場は進んでいました。
柱のような支えになるものと自分の間に縦糸をはり織っていきます。
神業・・・。
先生をしてくれたお2人は、せっせせっせと達人スピードで織り上げていきますが
私は1つ横糸を渡すだけでも大騒ぎ。
大変な作業とは聞いていましたが、、、実際体験してみると、腰の悪い私には本当に過酷な肉体労働でした。
織り機を使えば足元の板をパタパタと動かす事で縦糸が上下に動き、簡単に横糸を渡す事が出来ますが、
腰織りの場合、縦糸の上下を自分の体全体を使って操らなければなりません。
体を思うように動かせなければキレイに糸が上下せず、横糸1つ渡すのも本当に一苦労なのです。
ただでさえ体の硬い私には、1つひとつが本当に重労働のよう・・。
先生が私の体を支えるようにしながら棒も支え、、、ついでに横糸を渡してくれながら
どうにかこうにか15㎝ほど織り上げましたが、目がバラバラで粗く、何ともお粗末な仕上がりになってしまいました。
でも、こんな風に手間暇かけて作られたものだからこそ、
機械で均一に作られたものでは味わえない手仕事ならではの良さがあるのですね。
たくさんの人を魅了するステキな商品の理由がよくわかりました。
そしてこの商品の素晴らしさ、肌で感じる空気感みたいなものを、少しでもお客様に伝えていけるよう
日々お店作りを頑張りたい!と改めて思った1日でした。
こちらはバーンロムサイで販売している「腰織りポーチ」
出来上がった腰織りストールを巻いて記念撮影
それから最後に、「手仕事が上手になるおまじない」と言って両手に巻いてくれた白い糸。
これはその昔、手紡ぎを勉強しに来た外国の若い学生が、一生懸命勉強して上手に紡ぐ事が出来るようになって紡いだ糸だそうで、これを巻くと手仕事が上手になるという言い伝えがあるそうです。
私にとって、こんなにステキなおまじないは生まれて初めてでした。
染谷 美岐 | 2014/02/20(木)
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